
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年5月21日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼20日(火)の為替相場
(1):中国人民銀 利下げ
(2):日本20年債入札で記録的な低需要
(3):RBA予想通り利下げ
(4):セントルイス連銀総裁「良い位置にある」
▼20日(火)の株・債券・商品市場
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20日(火)の為替相場

期間:20日(火)午前6時10分~21日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国人民銀 利下げ
中国人民銀行(PBOC)は貸出金利の指標となるローンプライムレート(LPR)について、市場予想通りに1年物を3.00%、5年物を3.50%へそれぞれ10bp(0.10%ポイント)引き下げると発表した。
(2):日本20年債入札で記録的な低需要
日本の20年債入札は応札倍率が2.5倍と2012年以来の低水準となるなど記録的な低需要となった。この結果を受けて、日本の長期金利が上昇。30年債利回りは1999年の入札開始以来最高となる3.14%まで急騰した。
(3):RBA予想通り利下げ
豪準備銀行(RBA)は市場予想通りに政策金利を3.85%へ25bp(0.25%ポイント)引き下げた。声明では、「インフレ率は目標レンジ内にあり、国際情勢が経済の重しとなることが予想されるため、上振れリスクは減少している」「見通しについては引き続き慎重な姿勢を維持」などとした。同時に公表された金融政策報告の経済見通しでは2025年末のインフレ予測が前回(2月)の+3.7%から+3.0%に引き下げられたほか、同時期の国内総生産(GDP)成長率予測が前回の+2.4%から+2.1%に下方修正された。 その後の会見でブロック総裁は、「必要に応じてさらなる行動を取る準備がある」と語ったほか、大きな議論ではなかったものの「50bp利下げも議論した」ことがわかり豪ドルが全般的に売られた。豪ドル/円の下落にドル/円やクロス円も引っ張られて下落した。
(4):セントルイス連銀総裁「良い位置にある」
米セントルイス連銀のムサレム総裁は、「5月12日に米中の関税対立激化が和らいだ後でも、関税は短期的な経済見通しに大きな影響をもたらすように思われる」「総じてみれば、関税は経済活動を鈍らせ、労働市場の一段の軟化につながる可能性が高い」との認識を示した。また、現在の金融政策について「経済見通しがどのように変化しても対応できる良い位置にある」とし、「今はインフレとの闘い継続に対する国民の信頼を維持すべき時だ」と述べた。