メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「不確実性の中で健闘。成長見通し引き下げ、裁判官選挙へ」メキシコペソ見通し

予想レンジ 7.2-7.7

(通貨4位、株価3位)

 (ポイント)
*引き続き健闘、ペソは12通貨中4位、株価は3位
*USMCA協定で関税打撃が小さい
*USMCAの見直しは秋か
*今夜は雇用統計
*4月貿易収支・1Q経常収支は
*中銀、今年と来年の成長予想引き下げ
*議事要旨は不確実性を訴える
*世界初の裁判官公選へ 6月1日投票
*メキシコ大統領:送金税撤廃へ米国と交渉へ

(USMCA協定で関税打撃が小さくペソはまずまずの動き)
 ペソはまずまずの動き、株は好調。USMCA貿易協定で米国関税の打撃がより小さいからだろう。今日は5月月末。一時は7.615まで伸びたが現在は7.46。それでも月間2位。対円で2.33%高。年初来では4位で1.06%安。ボルサ株価指数は世界3位で年初来18.38%高。10年国債利回りは9.32%。

(USMCAの見直しは秋か)
 エブラード経済大臣は、トランプ米大統領の第一期目に締結されたUSMCA協定が9月下旬または10月第1週に見直しが始まると述べた。トランプ大統領は予定より早く協定の再交渉を迫り、全てのビジネスパートナーとより良い貿易条件を要求している。

(今夜は雇用統計)
 今日は4月失業率などの発表。失業率の予想は2.5%で前月の2.2%より悪化するのが気がかり

(4月貿易収支・1Q経常収支は)
 4月貿易収支は8800万ドルの赤字。3月は34.42億ドルの黒字だった。自動車輸出が減少。1Q経常収支は76.1億ドルの赤字、前期は128.1億ドルの黒字。

(中銀、今年と来年の成長予想引き下げ)
中銀は四半期報告で、今年と来年の経済成長率見通しを引き下げた。国内経済の低迷や米国の貿易政策を巡る不確実性を理由に挙げた。
今年のGDP伸び率は0.1%と予想し、2月時点の0.6%から下方修正。2026年の予想も0.9%と、同1.8%から半分の水準に下方修正した。
中銀は「メキシコ経済は深刻な後退の時期にあり、課題に直面している」と指摘。「米国の貿易政策変更に起因する重大な問題」から国内の脆弱性がさらに悪化するとして、今後数カ月は国内経済が低迷するとの見通しを示した。

(メキシコ中銀議事要旨、5月15日の0.5%利下げ時)
・メキシコの金融市場は3月の金融政策決定以来不安定な環境にあると指摘
・ほとんどのメンバーは、全体的なインフレは2026年第3四半期に目標レベルに向かって動き続けると予想
・あるメンバーは、不確実性が解消されれば2026年頃に経済活動の回復が見られる可能性があると指摘
・メンバー全員が、経済活動が2025年第1四半期に再び弱体化の兆候を示したと指摘
・ 全てのメンバーは、米ドルが他の通貨に対して大幅に下落していることを指摘
・大半のメンバーは、世界経済成長の見通し、特に米国の経済成長の見通しが下方修正されたと指摘
・ある委員は、米国の経済活動の四半期縮小は主に純輸出のマイナスの影響によるものだと指摘
・一部のメンバーは貿易政策のマイナスの影響が消費者や企業の信頼を損なう可能性があると強調
・メンバー全員が、世界レベルでの貿易政策に関して高い不確実性があると指摘
・ほとんどのメンバーは、貿易摩擦が特に米国の一部の管轄区域でインフレ圧力につながる可能性があり、他の要因が世界のインフレに下押し圧力をかけるだろうと述べた
・一部のメンバーは貿易政策のマイナスの影響が消費者や企業の信頼を損なう可能性があると強調した。