
総括
FX「今週はCPIに注目、G7にも参加」南アランド見通し
「通貨8位、株価7位」
「予想レンジ 南アランド円7.8-8.3」
(ポイント)
*5月は月間首位、6月は8位へ後退
*G7サミットに南アが招待され参加する
*3度目で予算案は可決されるか
*OECDに低成長を指摘される
*中国は、アフリカ53カ国の関税撤廃へ
*株価指数は史上最高値圏から小反落
*1Q・GDPは前年同期比0.8%増
*対米首脳会談は上手くこなす
*政策金利は0.25%引き下げ
*米国からのLNG輸入を提案
*EU、南アに51億ドル規模の投資表明
*南ア貿易相手国、一に中国、二に米国
*今年秋にAGOA法(南アから米国への免税輸出)の見直し
(先週はランドが最弱)
5月は月間最強通貨となった。6月も好スタートを切ったが先週は最弱となり月間で2位から8位、年間で7位から8位へ後退した。
南ア株価指数は年初来13.35%高、10年国債利回りは10.14%
今週はカナダでG7サミットが開催されるが南アも招待され参加する。
(今週はCPI)
今週は5月消費者物価(CPI)と4月小売売上の発表がある。
CPIは前年比で予想が2.7%上昇、前月は2.8%上昇。コアは3%上昇の予想、前月は3.0%上昇。
小売売上は3.1%増の予想、前月は1.5%増。
(予算案は)
予算案3.0が提出され、GNUパートナー間で当面は協力を継続することで幅広い合意が得られたことなど、国内政治の面ではより確実性が高まっていると言える。世界情勢は依然として不透明だが、米国と南アの外交関係における緊張緩和は、世論を後押しするだろう。
(OECD報告書より)
OECDは南アの報告書を発表し、過去10年間のGDP成長率はわずか平均0.7%で、人口増加に追いついていないことを示した。
かつては多くの人が南アの「回復力」と「強気」な見通しを語っていたが、経済の現実は全く異なる様相を呈している。
ただ「構造的制約の緩和と消費者支出の増加に支えられ、今後3年間で成長率は平均1.5%に改善するはずだ」と述べた。
またトランプ大統領が4月に発表した「相互関税」(南アへの30%の関税を含む)の90日間の一時停止の終了は懸念されるとした。
(中国は、アフリカ53カ国の関税撤廃へ)
中国外務省は、同国が外交関係を結んでいるアフリカ53カ国への関税撤廃を盛り込んだ新たな経済協定の署名に向けて交渉すると表明した。
中国は現在、多くのアフリカ諸国を含む後発開発途上国(LDC)に対して輸入関税と輸入枠なしの市場アクセスを提供しているが、新たな協定では中所得国にも同じ条件を提供する。
南アなどの中所得国にも市場を全面開放すれば、恩恵を受けると指摘している。
中国とアフリカ諸国の貿易は近年拡大しているが、中国側に恩恵が偏っており、昨年は中国側の貿易黒字が620億ドルに上った。