
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年6月17日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼16日(月)の為替相場
(1):中国 経済指標発表
(2):ECB副総裁 インフレについて発言
(3):イラン 緊張緩和を望む
(4):日米首脳会談 合意ならず
▼16日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドル安と円安の綱引き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
16日(月)の為替相場

期間:16日(月)午前7時00分~17日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国 経済指標発表
中国5月鉱工業生産は前年比+6.3%と市場予想(+6.4%)に届かなかった。一方、同小売売上高は前年比+6.4%と予想(+4.9%)を大幅に上回った。
(2):ECB副総裁 インフレについて発言
欧州中銀(ECB)のデギンドス副総裁は、ユーロ圏のインフレがECBの目標である2%を下回るリスクは抑制されているとの認識を示した。また、トランプ米大統領の政策を受けたユーロ高について「1ユーロ1.15ドルの水準は(経済やインフレにとって)大きな障害にはならない」と明言。「特定の水準よりも、変動ペースに注目すべきだ」「これまでのところその動きはかなりコントロールされている」と述べた。
(3):イラン 緊張緩和を望む
米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)はイスラエルとイランの軍事衝突を巡り、「イランが敵対的行為を止め、核開発計画に関する協議の再開を模索している」と報道。「米国がイスラエルの軍事行動に加わらない限り、米国との核協議を再開する用意がある」と伝えた。これを受けて米国株が上げ幅を拡大。NY原油(WTI)は下げ幅を拡大した。地政学リスクの高まりを背景に買われていたドルは下落したが、一巡後は市場心理の改善を受けて円がドル以上に下落。ドル/円は143.65円前後まで下落したのち切り返した。ドル安と円安の動きでクロス円は上昇。ユーロ/円はその後、年初来高値を更新して昨年7月以来の高値となる167.45円前後まで上値を伸ばした。なお、三菱商事が米国のエネルギー投資・開発会社を約80億ドル(約1兆1500億円)で買収する方向で調整に入ったことも伝わった。
(4):日米首脳会談 合意ならず
G7首脳会議(サミット)出席のためカナダを訪問中の石破首相が米国のトランプ大統領と会談。自動車関税などで、どこまで米国の譲歩を引き出せるかが焦点となっていたが、この日のNYタイムのうちには会談の結果は伝わらなかった。なお、17日の東京市場に入り石破首相は、関税協議を巡り今なお日米間で認識が一致していないとして「担当閣僚にさらに協議するよう指示した」ことを記者団に明らかにした。