高金利通貨の状況を動画で解説

動画配信期間:公開日から2週間

高金利通貨「メキシコペソ・南アフリカランド・トルコリラ」の状況をギュッと要約

メキシコペソ
- 現状: 6月は対円で2.8%上昇、12通貨中トップの成績
- 関税問題への対応: アメリカの恫喝的な関税政策に対し、各国が不満を持っているが、メキシコはUSMCAの恩恵で比較的ショックが少ない
- 経済状況:
- 今年のGDP成長率は当初1%予定がフラット~マイナス成長の可能性
- 第1四半期自動車部品生産額は前年同期比8.2%減少
- 金融政策:
- インフレがターゲット上限4%を超えたため、タカ派のヒース総裁が次回利下げを見送る方針
- 26日の政策決定会合が注目点
- 課題: アメリカからの不法移民強制送還による仕送り減少の影響
- 投資環境: トランプ氏とマスク氏の関係悪化やEV減税廃止により、再びメキシコ投資の可能性

南アフリカランド
- 変動性: 4月最弱→5月最強→6月好調→先週最弱と激しく変動
- 政治要因: 連立政権の不安定さが通貨に影響
- 経済基盤:
- 金・銀・プラチナなどの資源国
- 鉱産物価格上昇がランドを支援
- 対米関係:
- 反イスラエル政策でトランプ政権と対立
- 輸入米の関税免除などの援助取りやめの可能性
- 金融政策: インフレが3%とターゲット下限を下回り、インフレターゲットを3-6%から2-5%変更検討
- 構造問題:
- 過去10年のGDP成長率平均0.7%と途上国として低成長
- 失業率30%の高失業

トルコリラ
- 政治リスク:
- エルドアン大統領がイスタンブール市長を逮捕
- 市長は7年4カ月求刑で、将来の大統領選出馬を封じ込める狙い
- 金融政策:
- 政治不安によるリラ急落で利上げ実施
- 5月CPIが低下したため、明日の政策決定では据え置きか利下げの可能性
- 経済成長: 世界銀行が今年の成長率予想を2.6%から3.1%に引き上げ
- 通貨政策:
- 当局は過度な通貨高・通貨安を望まず
- 投機的な動きを避けるため、緩やかな通貨安を容認
- 上昇しすぎるとリラ売り介入を実施

結論
メキシコペソ: 関税問題の影響は限定的で、高金利維持により相対的に安定。投資環境も改善の兆し。

南アフリカランド: 政治・対米関係の不安定さが最大のリスク要因。資源価格上昇と中国との新たな貿易関係が支援材料。

トルコリラ: 政治リスクが最も深刻で、エルドアン政権の権威主義的な政策が通貨不安の根本原因。経済成長は堅調だが政治不安が重し。

3通貨ともそれぞれ異なる特徴と課題を抱えており、投資判断には各国の政治・経済情勢を総合的に考慮する必要がある。

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野村雅道
野村雅道氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。

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