外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年8月1日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉

目次

▼31日(木)の為替相場
(1):豪小売売上高 予想を大きく上回る
(2):日銀政策金利 据え置き
(3):植田日銀総裁 記者会見
(4):独CPI 前月から横ばい
(5):米PCEデフレーター 前月から加速

▼31日(木)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値メドは151.75円前後/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

31日(木)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
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期間:31日(木)午前6時10分~1日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):豪小売売上高 予想を大きく上回る

豪6月小売売上高は前月比+1.2%となり市場予想(+0.4%)を大きく上回った。年央のセールで家具や電化製品、衣料品などの裁量品目への支出が増加したほか、ニンテンドースイッチ2の発売が電化製品およびゲーム関連小売店の売り上げ高増加に寄与した。同時刻に発表された中国7月製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.3(市場予想、前月ともに49.7)と4カ月連続で好不況の分岐点となる50.0を下回った。

(2):日銀政策金利 据え置き

日銀は予想通りに政策金利を0.50%に据え置いた。展望リポートでは25年度の物価見通しを4月の+2.2%から+2.7%へ大幅に引き上げ、見通しについては「概ね上下にバランスしている」として4月の「2025年度と2026年度は下振れリスクの方が大きい」から上方修正した。一方「見通し期間後半には物価安定の目標と概ね整合的な水準で推移」とする見解には変化はなかった。

(3):植田日銀総裁 記者会見

日銀の植田総裁は会見で、物価見通しの上方修正について「今回の上方修正だけをもって金融政策が左右されるというようなものではない」と述べた。また、米国の関税政策の影響について「関税率がどうなるかという不確実性は低下したが、ある程度高い関税がかけられることは確定的で、影響がどこにどう出るかはわからないので、一気に霧が晴れるということはなかなかない」「関税の影響を受けて日本の企業収益、特に製造業の収益が下方に屈折し、賃金への影響が懸念される」とし、「どの程度の大きさ、強さになるのかというところは丁寧にみていきたい」との見解を示した。

(4):独CPI 前月から横ばい

独7月消費者物価指数(CPI)・速報値は前年比+2.0%と市場予想通り前月から横ばいだった。欧州連合(EU)基準のCPIは前年比+1.8%と市場予想(+1.9%)以上に前月(+2.0%)から鈍化した。

(5):米PCEデフレーター 前月から加速

米6月個人消費支出(PCE)は前月比+0.3%と予想(+0.4%)を下回った。同PCE物価指数(デフレーター)は前年比+2.6%と予想(+2.5%)以上に前月(+2.4%)から加速。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+2.8%と市場予想(+2.7%)を上回った。前月分も+2.8%に上方修正された。同時に発表された新規失業保険申請件数は21.8万件と予想(22.4万件)を下回った。