2025年が早くも折り返しを迎えた。前半戦を締めくくる6月の資本業務提携の動きを点検した。

サンリオ、IGポートの第4位株主に

サンリオは6月17日、アニメ制作大手のIGポートとの資本業務提携を発表した。第三者割り当てによる自己株式処分の引き受けなどを通じて、7月3日付でIGポート株式の4.98%を約17億6000万円で取得するという内容だ。

サンリオは「ハローキティ」や「マイメロディ」に代表される世界的なキャラクターを保有する。IGポートとの協業を進め、一連のキャラクター群の映像化やアニメ放送、配信などに向けた事業展開を加速する。IGポートは「怪獣8号」、「鹿の王」、「攻殻機動隊」など数々の人気アニメ制作で知られる。

サンリオは今回の出資により、筆頭株主で18.9%保有するIGポート社長の石川光久氏、第2位株主の電通グループ、日本テレビ放送網(各9.85%保有)に続く第4位株主(NTTDドコモも同比率)となった。

M&A Online
(画像=サンリオと資本業務提携したIGポートの本社(東京都武蔵野市)、「M&A Online」より引用)

セレスはサイバー・バズに19%超出資

上場企業同士による資本業務提携はもう1件。セレスがソーシャルメディアマーケティング事業を手がけるサイバー・バズの株式19.14%を取得した。第2位株主のデジタルガレージから保有株式のすべてを買い取ったもので、取得金額は5億8670万円。

セレスはポイントサイト「モッピー」や成功報酬型広告のアフィリエイトサービス「AD.TRACK」を運営している。市場拡大が続くインフルエンサーマーケティングに強みを持つサイバー・バズとの事業連携を進め、既存事業の収益力向上や新たな収益機会の創出につなげる狙い。

経営コンサルティング事業のフロンティア・マネジメントは投資事業の一環として、飲食店経営のチームバリスタ(宇都宮市)に常陽銀行グループと共同で出資した。

チームバリスタは2012年設立で、餃子、肉割烹、炉端焼き、イタリアン、ラーメンなど15店舗・15業態を展開。2023年には東京進出1号店として、餃子店「餃子といえば芭莉龍」をJR東京駅構内に出店した。

タカラトミー「屋内遊び場」事業強化へ

タカラトミーは、リアルとデジタルを融合した屋内型テーマパーク「リトルプラネット」を展開するリトプラ(東京都港区)と資本業務提携した。インドアプレイグラウンド(屋内の遊び場)事業強化の一環で、リトプラが実施するシリーズC段階の資金調達に応じ、協業を加速させる。

リトプラは自社での「リトルプラネット」の展開に加え、タカラトミーのおもちゃの世界観に「リトルプラネット」のXR(拡張現実)技術を融合した次世代トイ&プレイパーク「タカラトミープラネット」1号店を昨年11月にイトーヨーカドー「アリオ亀有店」(東京都葛飾区)内に開設した。

さらに今年4月には2号店を愛知県安城市の大型ショッピングモールにオープンするなど、今後の事業拡大が見込まれている。