
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年8月15日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼14日(木)の為替相場
(1):豪7月雇用統計 概ね予想通り
(2):英4-6月期GDP 予想上回る結果
(3):米財務長官 利下げについて語る
(4):米7月PPI 予想を上回る結果
(5):FRB高官ら 見解示す
▼14日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:148.52円前後が上値目途/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
14日(木)の為替相場

期間:14日(木)午前6時10分~15日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪7月雇用統計 概ね予想通り
豪7月新規雇用者数は市場予想(2.50万人増)をわずかに下回る2.45万人増だった。失業率は予想通り前月(4.3%)から低下し4.2%だった。労働参加率は前月から変わらず67.0%だった。ほぼ予想通りの結果となったが、正規雇用者数が大幅に増加していたことから、指標発表後に豪ドルは買われた。
(2):英4-6月期GDP 予想上回る結果
英4-6月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比+0.3%、前年比+1.2%とともに市場予想(+0.1%、+1.0%)を上回った。同時に発表された英6月鉱工業生産は前月比+0.7%と予想(+0.3%)を上回った。同貿易収支は221.56億ポンドの赤字となり、赤字額は予想(218.75億ポンド)や前月(220.51億ポンド)を上回った。
(3):米財務長官 利下げについて語る
ベッセント米財務長官はインタビューで「9月の50bp(0.50%ポイント)利下げはおそらく適切だろう」とあらめて述べた。一方で、「中立金利の予測モデルはおそらく150bp低い水準を示していると述べただけだ」として、「米連邦準備制度理事会(FRB)に一連の利下げを要求してはいない」と語った。
(4):米7月PPI 予想を上回る結果
米7月生産者物価指数は(PPI)は前月比+0.9%、前年比+3.3%と市場予想(+0.2%、+2.5%)を大幅に上回った。食品とエネルギーを除いたコアPPIも前月比+0.9%、前年比+3.7%と予想(+0.2%、+3.0%)を上回り、関税政策による輸入コストの上昇を米企業が価格に転嫁しつつあること示唆する結果となった。同時に発表された米新規失業保険申請件数は22.4万件と予想(22.5万件)をわずかに下回り、前週(22.7万件)から減少した。
(5):FRB高官ら 見解示す
米セントルイス連銀のムサレム総裁は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で「どういった政策を支持できるかを正確に述べるのは時期尚早だ」と語った。ベッセント米財務長官が繰り返す「9月の50bp利下げ」が正当化され得るかとの質問には「経済の現状や見通しを踏まえれば支持されない」との見解を示した。また「データはより持続的なインフレの可能性があるかどうか示し始めている」とした一方で、「労働市場には下振れリスクがある」と指摘し、「われわれの2つの責務の間に緊張が見られる場合は、バランスの取れたアプローチで臨む必要がある」と語った。これより前にはサンフランシスコ連銀のデーリー総裁が50bp利下げの必要性について、「0.50%というのはわれわれが緊急性を認識しているように聞こえる。労働市場について私が感じているものとは違う緊急シグナルを発することになると懸念する」と指摘。「そうは見ていないし、遅れを取り戻す必要も感じない」との見解を示した。」