
総括
FX「米・トルコ首脳会談の議題にレアアース。野党弾圧相場は落ち着くも野党人気高い」トルコリラ見通し
(通貨最下位、株価10位)
予想レンジ トルコリラ/円3.3-3.8
*米・トルコ首脳会談の議題にレアアース、貿易、防衛
*野党弾圧で株、債券急落も現在は回復
*リラは依然 低位安定
*今週は指標が多い
*トルコの最低賃金労働者の70%が与党に投票しない
*野党CHPの指導部に関する判決が裁判所によって10月24日まで延期されたことを受け市場は好感
*リラ買い介入か
*リラ安の大きな要因は膨大な外貨預金
*政策金利を40.5%に引き下げ-予想上回る利下げ
*9か月ぶりに経常収支が黒字化
*新原発の稼働間近か
*インフレ抑制へ目標設定
*格付け引き上げ、ムーディーズ
(野党弾圧で激変した株と金利。リラは低安定)
主要野党である共和人民党(CHP)の2023年の指導部選挙無効に関する判決が裁判所によって9月15日から10月24日まで延期されたことを受け急落していた株価が急上昇。長期債も31%台から29%台へ低下。一方、リラ買い介入で下落を抑えられていたリラ円は3.54-57あたりで小康。
イスタンブール100株価指数は野党指導選挙の無効が言い渡された後に年初来15%高から5%高に下落したが、現在は16.66%高へ急回復している。
10年国債利回りは29%台から31%後半へ上昇、現在は29%台まで低下している.。
リラは年初来で対円19.46%安、対ドルで16.66%安。
(直近の経済指標)
9月消費者信頼感指数は83.9で8月の84.3から悪化した。
今週は9月企業信頼感指数、外貨準備高、来週は9月経済信頼感指数、8月失業率、9月製造業PMI、外貨準備高、9月消費者物価、生産者物価の発表がある。
(25日に米トルコ首脳会談)
トランプ大統領は、エルドアン大統領を25日にホワイトハウスに迎え、貿易・軍事協定を締結する予定だと明らかにした。
ボーイング機やF16戦闘機の売却合意、F35戦闘機に関する協議継続など、「多くの貿易・軍事協定に取り組んでおり、前向きな結論に達すると期待している」と述べた。
(トルコのレアアース狙うトランプ大統領)
トランプ大統領は、さらにエルドアン大統領と会談で、トルコ中部エスキシェヒル県ベイリコヴァ地区の膨大な希土類元素(レアアース)埋蔵量を議題とするとみられている。
トランプ大統領は、中国に次いで世界第2位の埋蔵量を誇るトルコとの協力を模索すると予想されている。「工業用金」としても知られるこれらの元素は、航空宇宙、防衛、生物医学産業にとって不可欠だ。
米国は現在、希土類元素の輸入量の約4分の3を中国から調達している。一方、トルコが計画している年間約1万トンの希土類酸化物生産量は、米国の需要のほんの一部しかカバーできないため、トルコは短期的には北京に取って代わることはできない。それでも、アナリストたちは、米国が供給の多様化を目指す中で、トルコの豊富な埋蔵量は、トルコを長期的なパートナーとして貴重な存在にする可能性を指摘している。