この記事は2025年10月16日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

2025年10月16日(木)の午前10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日15日(水)は日本維新の会と自民党が連立協議に入るとの報道で円が売られる場面もあったが、米中貿易摩擦の激化を巡る懸念がFRBの利下げ観測と相まってドルを圧迫したため米ドル/円の戻りは鈍かった。なお、米ドル/円は自民党総裁選後の「高市トレード」による円売りで149円付近から153円台前半まで上昇したが、そのおよそ半分を昨日15日(水)終了時点で吐き出した格好だ。
自民・維新の連立協議入りを受けて高市首相誕生の可能性が高まっていることから、さらなる円高の余地は小さいと見るが、昨日15日(水)の反応を見る限り「高市トレード」による円売りは鮮度を失いつつあるようだ。あるいは、「高市トレード」の円売りは昨年来、盛り上がるたびに梯子を外される展開が続いているため安易に乗りたくないという市場心理の表れなのかもしれない。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米中貿易摩擦についてはベッセント米財務長官こそ楽観的な見方を示しているものの、トランプ米大統領は、現在中国とは「戦争状態」にあるとの認識を示している。
両国の関税発動猶予期限を11月1日に控えており、当面は市場の緊張状態も続きそうだ。なお、米中貿易摩擦の激化は、米国経済の重しになるとの見方が強く、FRBの利下げ観測と相まってドルを圧迫している。
米国の関税政策は、貿易赤字の縮小を狙った措置であることから本質的にはドル安を抑制する要因だが、市場心理の悪化を通じて円キャリートレードの巻き戻しを誘発しやすい要因でもある。
いずれにせよ、米ドル/円は本日16日(木)も、日本の政局と米中の貿易摩擦の両睨みで神経質な相場展開が続きそうだ。
▽米ドル/円 日足チャート

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。