この記事は2025年10月15日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Ratchadaporn/stock.adobe.com)

2025年10月15日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

FT(フィナンシャルタイムズ)が昨日14日(火)に報じている下記の記事がマーケットで話題になっている。

米財務長官はFTに対し、中国の輸出規制は「自国経済の弱さの表れ」だと語った。
さらに、北京がレアアースや重要鉱物に対して広範な輸出規制を課し、世界のサプライチェーンに打撃を与えたことについて、中国が世界経済を傷つけようとしていると非難した。
そして、米国のドナルド・トランプ大統領が韓国で中国の習近平国家主席と会談する見通しの3週間前に中国が規制を導入したことは、中国経済が抱える問題の反映だと述べた。
「これは彼らの経済がいかに弱いかの兆候であり、彼らは皆を巻き添えにして没落させようとしている」と米財務長官は一昨日13日(月)に語り、中国を強く批判した。

今回の件は、中国が独占状態にあるレアアースが、米経済を破滅させうるカードになり得るのではないか、という認識をマーケットに再確認させた出来事だった。

総じてドルは底堅く推移している。

一方、米ドル/円は151.00~153.00円のレンジに落ち込んでいる。

現在の為替相場の戦略やスタンス

先週のマーケットは、高市総裁の誕生を材料視し、ヘッジファンドは一気に米ドル/円と日経平均を買い煽った。彼らのターゲットはレートではなく、利益確定する日をあらかじめ決めていた。

利益確定する日は先週の10日(金)だった。この日は日経平均のミニSQであることに加え、日本の三連休を控えている。

結果、今回のSQは48,779円と"幻のSQ値"となり、ヘッジファンドはこの幻のSQ値で利益確定。 米ドル/円も10日(金)に153.27円付近の高値をつけ、彼らの利益確定により反落。

結果、今週の欧州通貨はドルが底堅い展開となっているが、米ドル/円と日経平均はひと相場終わっており、調整に入っている。

米ドル/円の注目は日本の政局。日本の政局は不透明感が増している。

臨時国会(来週召集見込み)の首相指名選挙を巡り、立憲民主党・日本維新の会・国民民主党の3党は本日15日(水)に党首会談を実施する見通し。立憲が目指す【野党候補の一本化】に向け、安全保障政策で歩み寄れるかが焦点。

政局は混沌としているが、総裁が高市氏になることが確実になってくると、再び株高・円安の展開に戻ると想定している。

ユーロ/米ドルは戻り売り。

先週のミニSQの日にひと相場終わっている米ドル/円と日経平均は、政局の行方を横目に買い場探しをしたい。したがって、高値追いは避けつつ、米ドル/円の押し目買いスタンス継続で臨みたい

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。