ドル/円の見通し:介入警戒感から伸び悩む可能性

昨日のドル/円は終値ベースで約0.5%下落。片山財務相が先週19日の日銀金融政策決定会合後に進んだ円安について「投機だ」と断じた上で、介入は「フリーハンド」との見解を示したことで円が買われた。とはいえ、ドル/円の下値は156.71円前後までにとどまっており、19日の上げ幅の半値押しにも満たない水準で下げ止まった。これは、19日の円安進行が「投機」による円売りではなく、「投機」による円買いポジションの損切り主導だったことを物語っているのではないだろうか。実際、シカゴマーカンタイル取引所(CME)における投機筋の円先物ポジションは12月9日時点で1万7千枚あまりの買い越しだった。つまり、現状でも「投機」の円売りポジションがさほど膨らんでいない公算が大きく、そうした中で政府・日銀が円買い介入を行っても効果は薄いと考えられる。本日のドル/円は、介入警戒感から157円台半ばでは伸び悩む可能性が高い一方で、下値には押し目買いのニーズがあると見られ、156円台前半では下げ渋りそうだ。

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神田 卓也
神田 卓也(かんだ・たくや)
株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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