本記事は、嶋村 吉洋氏の著書『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』(プレジデント社)の中から一部を抜粋・編集しています。
私が最も大切にしているビジネス習慣、「即レス」の極意
私がビジネスで最も大切にしている習慣、それがメールやLINEなどの「即レス」です。
近年は即レスの重要性は少しずつ浸透していますが、単なるビジネスマナーや自己管理スキルという視点で語られていることが多く、その本当の価値は十分に理解されていないと感じています。
私にとっての即レスの真の重要性は、それが意思決定や情報共有の速さを促し、事業展開のスピードに直結することです。
たとえるなら、パソコンのCPUと同じです。以前は数字の計算しかできなかったCPUが、開発のトライ&エラーを繰り返して高速化が進み、膨大なデータ処理が必要なAI分野で、とんでもない成果物を生み出しています。
これはビジネスにおいても同じです。
何が成功するかなどは、やってみないとわかりません。あらかじめ成功が保証されている事業など、存在しないと言っていいでしょう。
どんな事業でも、誰がやっても失敗の可能性は常にあります。大事なのは、できるだけ失敗の数を減らして、成功の“打率”を高めることです。
即レスの習慣は、仮に失敗した場合でもすぐにその情報を共有し、原因究明と改善を迅速に行うことを可能にしてくれます。
これにより、ノウハウや知見が蓄積されるスピードが速まり、失敗を減らして、より速く目標に到達できるようになります。これこそが、ビジネスの加速度的な成長につながるのです。
もちろん、即レスといっても、ただ闇雲に速く返信するだけではいけません。優先順位を考えずに、レスの速さだけにこだわると、結果的に不必要なタスクを抱える要因にもなり、生産性を下げるという考え方もあります。
また、即レスという行為自体が目的化してしまい、負担になる面もあるでしょう。
ここで私がお伝えしたいのは、とにかく速く相手に要点を伝えることの大切さです。
たとえば、朝起きて100通のメールが来ており、それに真正面から向き合って文章の体裁も整えて返信していたら、それだけで貴重な午前中が潰れてしまいます。
そもそも、メールをくれる人々は、要点を簡潔に、早く知りたいと思っています。
だから、私の文章は誤字脱字だらけでも、とにかく速く先方に伝えることを重視しています。
「即レスLINE会議」で失敗を未然に防ぐ
個人としても、レスが速い人はそれだけで仕事や情報が集まりやすくなり、評価を高める機会も増えていくはずです。
組織全体に即レスの文化が浸透すれば、事業展開のスピードが速まって結果が出やすくなり、優秀で新しい人材が集まりやすくなります。
同時に、取引先のレベルも上がり、目標達成能力の高い組織になります。このようにして、失敗するプロジェクトが減り、成功するプロジェクトが増えていきます。
たとえば、飲食店を開業しようとする場合、開業未経験の人がつまずく原因にはいくつかのパターンがあります。
料理人出身のオーナーの場合、厨房のスペースを広くとりすぎてホールの空間を圧迫し、売上に悪影響が出ることが多々あります。
一方、ホール出身のオーナーは、内装にこだわりすぎて厨房が圧迫され、料理提供が遅れるといった問題が起きます。
また、空調への理解がないと、厨房だけ「サウナのように暑い」ということになり、一歩間違えれば衛生面に問題が出てしまいます。
しかし、即レスの文化を持つ組織であれば、ものの数分で各部門の専門家を集め、LINE上でサクサクと会議を行うことができます。そして、注意事項を事前に共有しておくことで、成功の可能性が高い状態でプロジェクトを開始できるのです。
レスの遅い人は「ハブ」から外れる
事業の中心(ハブ)にいるメンバーの連絡が遅れると、全体の仕事がそこで止まってしまいます。
そのため、私のチームでは、レスが遅い人には改善するまでプロジェクトのハブから枝葉に移ってもらっています。厳しいかもしれませんが、これは効率的なチームづくりには不可欠な方針です。
意思決定や情報共有の速度を従来の2倍にすることで、同時進行できる事業が2倍になる可能性が生まれます。すると、最大で売上と利益も2倍になる計算です。
優れたビジネスモデルを考えたり、技術開発の結果を出すのは難しいことですが、レスを速く返すこと自体は難しくありません。即レス習慣が、ビジネスを着実に成長させる原動力になると私は強調したいです。
私は今、テレビ業界に注目しています。
テレビ東京のほかに、テレビ朝日系の朝日放送グループHDの大株主にもなっています。
世間では「テレビはオワコン」などと言われて久しいですが、私の見方は違います。
テレビ局は直近では保有する不動産価値などが見直されていますが、それだけではありません。膨大なコンテンツを保有している点も、今後は高く評価されると思います。
広告収入一本のビジネスモデルに、サブスクリプションモデルを追加し、良質なコンテンツを世界に届けることができれば、テレビ局の評価と価値は“爆上がり”するはずです。
それに、今はSNSが全盛ですが、実はその情報源の多くはテレビです。テレビ局が発信した情報をSNSが拡散しているのですから、ある意味、テレビ局の影響力は高まっていると見ることもできます。
この潜在力を活かせれば、テレビ局が大化けする可能性はあると考えています。
このことも実は私がコミュニティのメンバー間の即レスで培った選球眼です。
兵庫県出身。10代で起業し、現在はさまざまな分野で多角的に活躍中。
投資家としては、阪急阪神HD、サイバーエージェント、テレビ東京、朝日放送HDなど数社の大株主となり、2026年3月末時点における総資産は数百億円に上る。
また、ソーシャルビジネスコミュニティ「ワクセル」を発足。1,500名に及ぶコラボレーター(協力者)が参画し、100以上のプロジェクトを創出している。
さらに、ワールドセールスを狙った映画製作においても、エグゼクティブプロデューサーとして関わった作品が、アメリカやヨーロッパ、韓国などの国際映画祭で受賞を重ね、最新作はネットフリックスで6か国の1位と2位、アメリカの配信で初登場第1位にランクインしている。
著書に『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(PHP研究所刊※「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」経済・マネー部門で第1位受賞)などがある。
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