本記事は、嶋村 吉洋氏の著書『人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論』(プレジデント社)の中から一部を抜粋・編集しています。

人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論
(画像=webbiz/stock.adobe.com)

タクシーの運転手さんから突然に言われたこと

コミュニティの仲間を広げようとするアクションが、仕事の新しいステップにつながることもあるのではないでしょうか。
最近、愉快なタクシーの運転手さんとの出会いがありました。

先日、大阪の自宅から神戸での会議に向かうため、タクシーに乗ったときのことです。
タクシーの運転手さんとは、移動中に長い時間を共有するので、会話のチャンスだと思われるかもしれません。
しかし、私の場合、移動時間はたいていスマホで仕事をしているので、運転手さんと話すことはほとんどありません。

その日も同じようにスマホで仕事をしていたのですが、途中で運転手さんが「ちょっといいですか?」と話しかけてきました。
正直、「忙しくて世間話なんかする時間はないのに。空気の読めない人だな」と感じて、少しだけ嫌な気分になったことを覚えています。
ところが、話の内容はまったく違っていました。
「実は、お客さんを乗せたのは2回目なんですよ」と言われたのです。
なんと、私は以前もその運転手さんのタクシーに乗ったことがあったのです。
こういう偶然はよくあることなのでしょうか、それともかなりレアな確率なのか、私にはよくわかりません。

それで私は「前回の私は、失礼なことをしていませんでしたか?」と聞いてみました。
「全然ないですよ!」と運転手さんは言ってくれましたが、続けてこんな話をされました。
「でも、すごくピリピリされていて、走るように乗ってきて、降りるときも走るように去っていきました。こんなに分単位で仕事をしている人が世の中にはいるんだなと感動したんです」
「私はあなたに刺激を受けて、それからタクシーの仕事を頑張りました。今では会社で売上ナンバーワンになったんです。本当におかげさまです」

私はすっかり驚いてしまいました。
自分ではまったく意識していなかったのに、知らないうちに誰かに大きな影響を与えていたなんて。
それからはスマホをしまい、目的地までの30分間、その運転手さんといろいろな話をしました。
生まれ育ちやご家族のこと、奥様のご病気の話など、普段なら聞けないような話も聞かせてもらいました。
最後にはLINEを交換しましたので、もしかしたらこれから重要な仲間になるかもしれないですね。

実は、私は全国にタクシー運転手さんの人脈を少しずつつくっています。
以前、北海道の某所に行ったときも、タクシー会社を経営している運転手さんと仲良くなりました。
「せっかくだからラーメンでも食べましょう」と誘い、食事をしながら業界の話を聞くことができました。
時代とともに、タクシー業界は変わりつつあるようです。
こうした運転手さんたちとのつながりが、ひょっとしたら将来大きなビジネスチャンスにつながる可能性もあるのかもしれません。

社会資本は、増えれば増えるほど、いろいろな人の発想が連鎖して、可能性が広がっていくものだと思います。
沖縄から北海道まで、LINEメッセージ1通で駆けつけてくれるタクシー運転手の仲間がいれば、自前のライドシェアを構築したのと同じですね。

人生100年時代を生き抜くための億万長者のコミュニティ資本論
嶋村 吉洋(しまむら・よしひろ)
実業家。投資家。映画プロデューサー。
兵庫県出身。10代で起業し、現在はさまざまな分野で多角的に活躍中。
投資家としては、阪急阪神HD、サイバーエージェント、テレビ東京、朝日放送HDなど数社の大株主となり、2026年3月末時点における総資産は数百億円に上る。
また、ソーシャルビジネスコミュニティ「ワクセル」を発足。1,500名に及ぶコラボレーター(協力者)が参画し、100以上のプロジェクトを創出している。
さらに、ワールドセールスを狙った映画製作においても、エグゼクティブプロデューサーとして関わった作品が、アメリカやヨーロッパ、韓国などの国際映画祭で受賞を重ね、最新作はネットフリックスで6か国の1位と2位、アメリカの配信で初登場第1位にランクインしている。
著書に『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(PHP研究所刊※「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」経済・マネー部門で第1位受賞)などがある。

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