本記事は、中村 裕昭氏の著書『臆病者のための起業法』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
テスト・テスト・テスト
テストの目的
イチかバチかで商売を始めていては、いくらお金があっても足りません。また、やみくもに突き進んで、結果が出せず空中分解し、ゼロからリスタートでは、いつまで経っても結果を出すことはできません。
だから小さなテストを重ねます。一つひとつの結果を確かめながら次に進んで、またそこでもテストを繰り返す。これが最もリスクを少なくする方法です。一見、遠回りに思えますが、結果的に時間も短縮します。
テストの目的は二つあります。一つは、その商品やサービスが世の中に求められているかどうかを試すこと。もう一つは反応を数値化することです。この二つをテストで検証すれば、リスクを最小限に抑えることができ、お金と時間の節約になります。
大体の人はお金のことは気にしますが、時間については意識が低くなりがちです。時間もお金と同じコストです。商売では、1日の遅れで結果が大きく変わることなんてザラにあります。
頭の中で考えていても仕方がない
テストでは、自分が試したことの結果だけを見ていきます。何度も言いますが、自分の主観や感情は一切入れてはいけません。
僕の場合、アクセサリーショップで失敗したのは、やっぱり主観が入っていたからです。アクセサリーだったら仕入れも安くて儲かるだろう。駅前だったらお客さんも来るだろう。理屈が通っているようでいて、どこにも客観性がありません。自分の主観だけで判断したことで、完全に失敗しました。
「確証バイアス」といって、人は自分に都合がいい情報を集める傾向があります。自分の考えが先に立てば立つほど、自分に都合がいい情報にばかり目がいき、どんどん客観性が失われていく危険性が高まります。これは脳が持つクセのようなものですから、意識して「思考が偏り過ぎていないか?」と注意を払うことが大切です。
すべてのテストは結果が出るまで仮説でしかありません。
例えば広告をつくるとき、このキャッチコピーがいいんじゃないかと仮説を立てます。それでまいてみます。そうすると反応が薄い。ということは、この仮説は間違っていたという結果を得られます。であれば、次の仮説を立てる。今度は反応がよかった。これで1本の線を引けるわけです。
実際のデータが伴わなければ、いくらその施策がよさそうに思えても、それは机上の空論です。こうすれば人が集まるんじゃないかと広告をつくる。それは必要なことですが、本当に正しいかどうかはわかりません。
「臆病者のための起業法」では、常に自分を疑うことが必要なのです。
結果を恐れるな
大切なのは手数を多くすることです。いい商品を作ろうと企画から開発まで細かくやって、時間をかけて販売や集客、広告戦略を考え抜いて世の中に出す。このやり方では、半年、1年かかってしまいます。売れればいいですが、売れなかったらその半年間の時間とそこでかけたお金がムダになってしまいます。特に、今は商売の消費期限が圧倒的に短くなっています。時間をかけ過ぎてはいけません。
とにかく次々に試してみる。違ったらまたすぐに試す。徹底的にテストを重ねて、一つずつ進んでいく。そうすれば失敗しようがありません。
僕が起業などの相談を受ける中で多いのが、結果が怖くて動けない人です。
チラシを作った、商売も考えた、自分なりの仮説も立てた。次は見込み客にぶつけてみるとか、営業をしてみるという段階で、またチラシをつくり直そうとしたり、ビジネスプランを練り直したりする人が本当に多いです。
「もう少し時間をかければいい案がもっと出るかもしれない」と考えて停滞する人が実に多いのですが、そんなことはやってみなければわかりません。
しかし、なかなかテストに移らない。テストを始めてもほとんど突っ込むことなく、当たり障りのないことしかやらない。
おそらく、失敗するのが怖いので、実行に移せないのでしょう。自分が考えたビジネスプランやチラシの反応が悪かったら、すべてを否定されたように感じる。一生懸命がんばってきたことを、ムダにしたくないと考える。これらも排除しなければいけない感情です。
反応がある・ないというのは、単なる現象でしかありません。怖がる必要はないのです。スタートの段階でわからないのは当たり前です。とにかく、案が出たら走り出してみてください。そこから何が必要か見えてきます。
新規事業・ニッチビジネス構築を得意とする起業家。
福島県いわき市の工業高校卒業後、和食料理人を経て26歳でアクセサリーショップを開業。
しかし売上不振により1年で廃業。再起を図る過程で、独自の戦略とビジネス構築術を編み出す。
その手法を武器に、着物事業では人口33万人規模の商圏で地域一番店を構築。自転車のリユース事業では、わずか2年で全国に100事業所を展開させた実績を持つ。
現在は、設備メンテナンス事業、組織改革・チーム構築事業、リユース事業の他、複数のプロジェクトを推進。
講演・研修活動にも力を注ぎ、ビジネスやお金の悩みを抱える人々の問題解決を支援。経験に裏打ちされたリアルな知見が、多くの支持を集め続けている。
著書に『常識を捨てたときケタ違いのお金が入ってくる1億稼ぐスモールビジネスの新ルール』(ぱる出版)、『小さな会社で大きく稼ぐ! 最強のビジネスモデル』(つた書房)などがある。
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