JR常磐線 柏駅

「不動産投資を検討しているものの、どのエリアを選べばいいのかわからない」。そんな方も多いのではないでしょうか?

本連載では、オリックス銀行においてアパートの融資取扱件数が多かった駅を取り上げ、駅周辺の特徴や人口動態、賃料相場の推移などを分析・紹介していきます。今回も、manabu不動産投資運営事務局のメンバーが現地の不動産会社にヒアリング調査も行いました。ぜひ投資エリア選びの参考にしていただければ幸いです。

今回ご紹介するのは、JR常磐線「柏(かしわ)」駅。2019~2024年にかけて、アパート融資取扱件数が多かった駅の一つです。柏駅は、上野まで約30分、東京まで約40分、品川・新宿へも約45〜50分でアクセスできる首都圏北東部の一大ターミナル駅であり、千葉県内でも有数の商業集積地として発展してきました。

柏駅周辺は、首都圏全体の賃料上昇トレンドのなかでも比較的手頃な家賃水準を維持しつつ、単身者からファミリーまで幅広い層の居住ニーズを取り込んでいるエリアです。1K〜1DKの平均賃料は8万円台後半~9万円台前半と、東京23区の単身者向け平均賃料13万円台と比べて割安な水準です。都内への交通アクセスの利便性と割安な賃料から、安定した賃貸需要が見込まれ、オリックス銀行の融資取扱件数も伸びています。

JR常磐線 柏駅ってどんな街?

はじめに、柏駅のプロフィールや街の特徴についてご紹介します。

JR常磐線 柏駅のプロフィール

柏駅の所在地 千葉県柏市柏一丁目(東口側)・末広町(西口側)
主要ターミナルへのアクセス ・北千住駅:約18分(直通)
・上野駅:約30分(上野東京ライン直通)
・東京駅:約40分(上野東京ライン直通)
・品川駅:約45分(上野東京ライン直通)
・大手町駅:約45分(地下鉄経由)
・新宿駅:約50分(山手線経由など)
1日平均乗降客数 117,042人(2024年度)
(参照:柏駅と乗降客数が近い都内の駅)
蒲田駅 125,780人、五反田駅 110,321人
駅周辺の特徴 柏駅は千葉県柏市の中心駅であり、JR常磐線沿線で最大規模の繁華街・商業圏を形成している。駅東口・西口の両側に大型商業施設や専門店ビルが立ち並び、ペデストリアンデッキで各施設とバスターミナルが立体的につながる「歩行者優先の駅前空間」が特徴。
駅東口は旧そごう柏店の建物の解体が進んでおり、解体完了後の土地は2026年度中に、三井不動産から柏市へ引き渡される予定。その後、旧そごう跡地を中心とした再開発が行われる見込み。
また、2026年1月時点では検討段階であるものの、駅西口でも柏駅西口北地区市街地再開発準備組合が発足され再開発に向けた動きを見せている。
周辺施設の情報 ・柏高島屋ステーションモール
・柏モディ(ショッピングモール)
・セブンパークアリオ柏(ショッピングモール)
・ビックカメラ柏店
・二番街通り(アーケード商店街)
・モラージュ柏(ショッピングモール)
・三協フロンテア柏スタジアム(柏レイソル)
・柏厚生総合病院
・国立がんセンター東病院
・千葉大学(柏の葉キャンパス)
・東京大学(柏キャンパス)
・開智国際大学
・江戸川大学
・麗澤大学
・二松学舎大学(柏キャンパス)
・柏の葉公園(東京ドーム11個分の大規模公園)
・手賀沼(1周20kmの利根川水系の湖沼)
JR常磐線 柏駅

柏駅は千葉県柏市に位置し、JR常磐線と東武野田線(東武アーバンパークライン)が乗り入れる、県北西部を代表するターミナル駅のひとつです。

JR常磐線快速で北千住までは約18分。そこから直通の東京メトロ千代田線で大手町をはじめとした都心主要エリアへ乗り換えなしでスムーズにアクセスできます。また、東京メトロ千代田線に乗り入れているJR常磐線各駅停車は柏駅からの始発も多く、都内へ座って通勤・通学できることから、利便性が高い駅といえます。

さらに、東武アーバンパークラインで大宮・船橋方面とも結ばれており、柏駅は都心だけでなく、千葉県内、埼玉県方面へのアクセス拠点としても機能しています。

こうした交通利便性に加え、柏駅は首都圏有数の商業集積を背景に、買い物・外食・医療・行政サービスが駅徒歩圏で完結する「コンパクトシティ型」の生活環境を備えています。

JR常磐線 柏駅
(2026年1月16日 柏駅西口 現地撮影)

「柏高島屋ステーションモール」や「柏モディ」、「セブンパークアリオ柏」、「ビックカメラ柏店」、「モラージュ柏」などのショッピングモールがあります。加えて、周辺にはスーパーマーケットやドラッグストア、カフェ、飲食店街が広がっており、平日・休日を問わず人通りの絶えないにぎわいを見せています。

また、駅周辺にはクリニックや総合病院、公共施設、金融機関がバランスよく集積しています。このように、暮らしに必要なものはひととおり徒歩圏内で揃う点も、居住地としての大きな魅力といえます。

子育て世帯には、保育園・学校・医療機関へのアクセスの良さが安心感につながり、単身者や高齢者にも、日常生活の用事を少ない移動で済ませられる利便性は見逃せません。

さらに、少し足を延ばせば、つくばエクスプレス沿線の柏の葉キャンパス周辺エリアや自然豊かな手賀沼へもアクセスできます。大学・研究施設や大型ショッピングモール、緑豊かな自然がコンパクトにまとまり、さまざまなライフスタイルで暮らせる住環境が整っています。

平日は都内まで座って通勤しつつ、休日にはショッピングやイベント、周辺の公園などでレジャーを楽しむ。「都心通勤」「地元商業エリアの利便性」「近隣エリアのゆとりある環境」という3つの軸をバランスよく享受できる広域生活圏が形成されている点も、同エリアの大きな特徴といえるでしょう。

柏エリアを歩いて現地調査してみた

JR常磐線 柏駅
(2026年1月16日 柏駅西口 現地撮影)
JR常磐線 柏駅
(2026年1月16日 柏駅東口 現地撮影)

柏駅にどんな人が住むのか、どんな街なのか、manabu不動産投資事務局メンバーが実際に現地を歩き、不動産投資の視点から感じたことを紹介します。

※柏駅エリア(柏駅を最寄りとするエリア):柏/東上町/千代田/中央/中央町/泉町/旭町/向原町/明原/あけぼの/末広町

JR常磐線 柏駅

今回は16時頃の夕方時間帯の現地調査となりましたが、駅改札口を出ると人の賑わいがあり、高校生や大学生と思われる学生を中心に非常に多くの人が行き来していました。東口と西口にはそれぞれ大きなロータリーがあり、バス乗り場も多くバス便が発達した街というのが第一印象です。

駅ビル内には柏高島屋ステーションモールのほか、成城石井やスーパーマーケットのオーケーもあり、デッキを通じてビックカメラなどへもスムーズにアクセスできます。週末の買い物や日常生活の買い物ができる施設が駅前にコンパクトにまとまっており、生活利便性は非常に良さそうです。

飲食店もかなり多く単身者には好まれそうですが、繁華街で居酒屋なども多いため、駅前の治安には少し注意が必要かもしれません。

駅前の賑わいとは反対に、駅から7~8分程度歩くと落ち着いた住環境が広がっています。東口を出て駅から離れると木造の戸建やアパートなどが多く、西口から出て駅から離れるとRC造のマンションなどが多いように感じました。

このエリアを歩いてみてネガティブポイントとして感じたことは、大きな道路や線路があることで街の中での移動に不便さがある点です。駅の東側には国道6号線(水戸街道)、西側には国道16号線といった幹線道路があるほか、JR常磐線の線路を跨いで移動できる陸橋などの場所が限られています。そのため、街の中での行き来が分断されているような印象を受けました。

不動産投資の観点では、単純な駅からの距離だけで判断しないことが重要です。実際に駅から物件までを歩いてみて、物件から周辺にあるスーパーマーケットやコンビニなどへのアクセスも丁寧に確認しておく必要がありそうです。

柏駅周辺の不動産会社にヒアリングした結果

2015年に上野東京ラインが開業し、JR常磐線が品川駅まで直通となったことで都内へのアクセスが向上しました。その結果、東京駅や新橋駅などへ通勤する社会人からも選ばれやすくなったようです。

賃料で比較すると、柏駅周辺は都内と比べて非常に安く、専有面積の広い物件も多くあります。安さ・広さに加えて、都内のアクセスも良く住環境も整っていることから柏駅周辺に住む社会人も多いようです。

また、同じ千葉県内でJR総武線沿線の市川や船橋などで物件を探していた人が、より良い条件を求めて、賃料が抑えられている柏駅で物件を探す流れもよくあるようです。

実際に入居を決める人の中には、千代田線に直通しているJR常磐線の各駅停車で、始発に乗って座って通勤できる点が決め手となるケースも多いとのことでした。

柏駅から徒歩10分以内など駅近の賃貸物件は主に社会人が入居者ターゲットとなる一方、駅から離れた場所には複数の大学が位置しており、学生ニーズが高まる傾向にあるようです。

現地調査では、バス便も発達していて駅から多少離れた場所でも社会人の需要は一定程度取り込めるかと感じましたが、実際には駅から離れた物件は賃貸付けに苦戦することも多いようです。中長期的に安定した需要を見込むには、やはり駅からの距離が重要なポイントとなるようです。

また、国道6号線や国道16号線を挟んで賃貸需要は大きく変わるため、それを見込んで適切な賃料設定を行うことも重要ということでした。

最近では、ネパールやスリランカを中心とした外国人の住まい探しも非常に多く、来客数の約半分が外国籍のようです。単身者向けの物件の場合、国籍などで入居者ターゲットを絞ってしまうと対象者がかなり限定されてしまうため、あまり間口を狭めずに賃貸経営を行うことが稼働を上げていく上でのポイントとなるようです。

また、単身世帯向け、家族世帯向け、いずれもペット可物件の供給は不足しており、ペット可とすることで入居はかなり決まりやすくなるようです。

柏駅エリアの人口ポートフォリオ

ここでは、柏駅の人口動態について、統計データをもとに紹介します。

人口推移

以下は、対象エリアの人口推移を示したグラフです。人口は、2000年の44,104人から2020年には54,224人へと約1万人(約23%)増加しました。2025年の推計人口は約55,846人とされており、2000年からの増加幅は約11,700人(約26.6%)に達します

新興開発エリアのような爆発的な人口増ではないものの、長期間にわたって人口増加が続いており、賃貸住宅にとって堅実な需要基盤を形成しているエリアといえるでしょう。

JR常磐線 柏駅

男女年齢別人口

以下は、2020年の国勢調査における柏駅エリアの人口を、年齢別および男女別に表示したグラフです。

JR常磐線 柏駅

2020年の男女別人口を見ると、男性では35~49歳が6,299人と最も多く、女性もこの年代が2番目に多い点が大きな特徴です。高齢化に伴って、全国的に65歳以上の比率が高いエリアが多い中で、35〜64歳の中堅・プレシニア層だけで全体の約43%を占める、現役世代の母集団が厚いエリアとなっています。

ただし、65歳以上の高齢層は全国平均(約3割)よりも低いものの、今後は中堅・プレシニア層の高齢化に伴い、住宅ニーズが変わる可能性には注意が必要です。

単身世帯/家族世帯割合

以下は、2020年の国勢調査を基にした柏駅エリアの単身世帯・家族世帯の割合を示したグラフです。

JR常磐線 柏駅

柏駅エリアでは、単身世帯が14,093世帯(全体の約50%)、家族世帯が13,924世帯(全体の約50%)と単身世帯と家族世帯がほぼ拮抗しています。駅周辺にはワンルーム・1Kアパートやマンションが多く、やや離れたエリアには戸建住宅やファミリー向け賃貸が広がるという、柏駅エリアの構造がそのまま数字に表れているといえるでしょう。

千葉市全体の単身世帯割合は約39%、東京23区は約54%となっており、柏駅エリアの単身比率は千葉市より高く、東京23区よりやや低い水準となっています。

このように、単身・家族のバランスが取れていることから、柏駅エリアは「単身者向けとファミリー向けの両方を狙えるエリア」と位置づけられます。物件タイプや間取り構成を工夫することで、複数のターゲット層を取り込める点が魅力です。

人口増加率

以下のグラフは、2000年を基準とした柏駅エリア、千葉市、東京23区の人口増加率を示したものです。

柏駅エリアの人口増加率は高く、2000年以降一貫して拡大傾向を維持してきたことが分かります。特に千葉市や東京23区に比べて高い水準を維持してきたことは、長期間にわたって柏駅エリアが高く評価されてきた証拠といえるでしょう。

JR常磐線 柏駅

賃料増加率(家賃相場推移)と募集期間の相関性調査

柏駅エリアの賃貸募集事例のデータを集め、賃料や築年数、徒歩分数や、物件情報サイトの掲載期間を集計し、まとめました。

成約事例ではなく、あくまでも募集事例をもとに分析したデータですが、マーケットの動向を把握するうえでの目安として活用してください。

平均賃料相場推移(1K~1LDK)

以下は、柏駅、千葉市、東京23区それぞれの平均賃料相場の推移です。

JR常磐線 柏駅

千葉市は全体として緩やかな上昇基調にあるものの、2024年以降は8万円台後半でほぼ横ばい、あるいはやや頭打ちの傾向が見られます。これに対し、柏駅は途中で上下の振れがありながらも、2023年以降は千葉市平均を上回る水準で推移しており、直近の2025年9月時点では9万円台前半まで上昇しています。

一方、東京23区は頭一つ抜けた水準で推移しており、11万円台後半〜13万円台へと右肩上がりに上昇しています。

つまり、柏駅周辺は東京23区より2〜3割割安でありながら、千葉市平均を上回る需要の伸びを示しているエリアといえるでしょう。

2024年から2025年にかけての賃料等推移

1㎡あたり平均賃料 1㎡あたり
中央賃料
平均募集期間 中央募集期間 平均築年数 平均徒歩分数
2024年1〜12月 2,817円 2,745円 57.9日 41日 15.1年 7.6分
2025年1〜6月 2,916円 2,857円 66.2日 43日 15.3年 8.0分

このように、柏駅エリアの1㎡あたり平均賃料は2,817円から2,916円への約3.5%上昇し、中央値も2,745円から2,857円へと約4.1%上昇しています。一方、募集期間をみると、平均募集期間は57.9日から66.2日へと約14%伸びているのに対し、中央募集期間は41日から43日とほぼ横ばいにとどまっています。

物件条件では、平均築年数が15.1年から15.3年とわずかに進み、平均徒歩分数は7.6分から8.0分へと若干長くなっています。一般的に、築年数や駅距離が伸びると賃料は低下しますが、柏駅エリアでは築年数・駅距離が伸びていながらも賃料は上昇しています。このことから、エリア全体の需要の底堅さが示唆されているといえるでしょう。

賃料及び募集期間の変動率

平均賃料上昇率 中央賃料上昇率 平均募集期間 中央募集期間
2024年〜2025年にかけての変動率 3.5% 4.1% 14.4% 4.9%

柏駅エリアの賃料の変動率は、平均・中央値ともに上昇していることから、全体的に賃料水準が底上げされている状況といえます。

募集期間の変動率をみると、平均値がやや長期化している一方、中央値がほぼ横ばいであることから、一部で決まりにくい物件が存在するものの、多くの物件は大きく状況が変わっていないことが読み取れます。柏駅エリアで不動産投資を行うにあたっては、どのような物件で募集期間が長期化しているのか、現地の不動産会社にヒアリングするのもおすすめです。

投資のポイント

データから見た投資のポイント

柏駅エリアは、上野・東京方面への直通アクセスと、ターミナル駅としての高い生活利便性を兼ね備えつつ、賃料水準は都心部よりも一段抑えられているエリアです。そのため、通勤時間と住居コストのバランスを重視する入居者から、安定した需要を集めてきました。

実際に、2000年以降、柏駅エリアは千葉市や東京23区よりも高い人口増加率を記録しており、2025年時点で2000年と比べて26.6%もの増加を見せています。特に49歳以下の中間層や若年層が全体の59%を占める人口構成は、安定した賃貸需要の基盤にもなっています。

世帯構成では単身世帯と家族世帯がほぼ50%ずつと均衡しており、駅距離と間取りを適切に選択することで幅広いターゲット層を取り込むことが可能です。2024年から2025年にかけて平均賃料で3.5%、中央賃料で4.1%上昇しており、築年数や駅距離が伸びているにも関わらず賃料が上昇していることから、エリア全体の需要の底堅さが確認できます。

現地調査から見た投資のポイント

駅前の生活利便性は非常に充実しており、柏高島屋ステーションモールを中心とした商業施設の集積により、食料品から日用品、外食などが全て駅前で完結でき、年齢や性別を問わず便利に生活できる環境が整っており、若者も多く街には活気があります。

駅近物件であれば社会人需要が中心、駅から離れると大学生需要が高まる構造ですが、国道6号線や国道16号線などの幹線道路や常磐線の線路による分断が賃貸需要にも影響を与えます。物件の購入検討にあたっては単純な駅距離だけで賃貸需要を判断せず、実際に現地を歩いてみて駅や周辺施設への動線を確認することが重要です。

また、外国人の住まい探しも非常に多く、日本人のみに入居者ターゲットを絞ってしまうと狭まり過ぎてしまい、賃貸付けに苦労する可能性も高まります。

実際に柏駅周辺の物件購入を検討する場合は、駅周辺の賃貸仲介会社などにもヒアリングし十分な情報収集を事前に行うなど、丁寧かつ慎重な投資判断を心掛けるようにしましょう。

- コラムの注意事項 -

本ページの内容については、掲載当時のものであり、将来の相場等や市場環境等を保証する情報ではありません。

(提供:manabu不動産投資