この記事は2026年3月11日に配信されたメールマガジン「アンダースロー:経済停滞の原因は人口動態悪化ではなく国内投資不足」を一部編集し、転載したものです。
経済停滞の原因は人口動態悪化ではなく国内投資不足
高市政権の方針は「成長型経済」への移行と、「強い経済」の実現である。日本経済再生のマクロ戦略として、官民連携の大規模な戦略投資と「高圧経済」の実現によって、企業の設備投資サイクルがGDP比18%を大きく上回る水準に押し上げ、企業を貯蓄超過主体から投資超過主体へと転換させる必要がある。資本投入量の拡大と、投資による全要素生産性の向上によって、人口減少下でも、1%超の潜在成長率が実現できる。日本経済の停滞の原因は、人口動態の悪化ではなく、官民の国内投資の不足だからだ。これまでの潜在成長率の低下は、ほぼ一定の労働投入量の減少では説明できず、資本投入量の減少が原因となっている。
投資は短期的には需要であるため、需給ギャップには上振れ余地を確保する必要がある。投資需要によって、需給ギャップは短期的に上振れるが、将来的な供給能力の拡大によって、インフレ安定化と潜在成長率の上昇につながる。需給ギャップ0%を基準とするこれまでの緊縮志向は、投資拡大の余地を狭めしまっていた。消滅してきたネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)を、官民連携の成長投資と家計支援の財政支出で-5%(GDP比)まで拡大することが重要だ。官民連携の成長投資によって企業と政府の支出する力を十分に強くし、企業と政府合わせた十分な投資超過によって、経済の膨らむ力と家計に所得が回る力を強化する。
世界共通の課題解決に資する、先手を打った官民連携の大規模な戦略投資を促進するため、日本経済再生のマクロ経済戦略の設定が不可欠となっている。マクロ戦略なき効率化の追求は、市場原理に過度に依存する新自由主義的発想に基づく「デフレ・コストカット型経済」の継続となってしまう。世界の経済政策の新しい潮流は、官民連携の強化による戦略的で分野横断的な国内投資の拡大を通じた国力の増大である。この潮流の変化を政府のマクロ戦略に組み込むことが重要だ。日本経済の停滞の原因は、人口動態の悪化ではなく、官民の国内投資の不足だからだ。
高市政権の方針は「成長型経済」への移行と、「強い経済」の実現である。将来の震災・有事への備えは、現在の緊縮による資金の確保よりも、供給能力の拡大で対応する。震災・有事には、民間需要と資金需要は減退し、対応が可能となる。日本経済再生のマクロ戦略として、官民連携の大規模な戦略投資と「高圧経済」の実現によって、企業の設備投資サイクルがGDP比18%を大きく上回る水準に押し上げ、企業を貯蓄超過主体から投資超過主体へと転換させる必要がある。資本投入量の拡大と、投資による全要素生産性の向上によって、人口減少下でも、1%超の潜在成長率が実現できる。これまでの潜在成長率の低下は、ほぼ一定の労働投入量の減少では説明できず、資本投入量の減少が原因となっている。
投資は短期的には需要であるため、需給ギャップには上振れ余地を確保する必要がある。投資需要によって、需給ギャップは短期的に上振れるが、将来的な供給能力の拡大によって、インフレ安定化と潜在成長率の上昇につながる。「高圧経済」の方針の下、需給ギャップ2%超を実現し、景気回復の実感を、内需・中小企業・地方にまで広げ、企業の国内支出の拡大を促進する。需給ギャップ0%を基準とするこれまでの緊縮志向は、投資拡大の余地を狭めてしまっていた。
消滅してきたネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)を、官民連携の成長投資と家計支援の財政支出で-5%(GDP比)まで拡大することが重要だ。官民連携の成長投資によって企業と政府の支出する力を十分に強くし、企業と政府合わせた十分な投資超過によって、経済の膨らむ力と家計に所得が回る力を強化する。
人手不足などの供給制約を、資本投資を誘発する好機と捉える。輸入物価の上昇によるコストプッシュと、需給ギャップやネットの資金需要の拡大によるディマンドプルのインフレを明確に区別し、拙速な財政金融政策の引締めで、投資拡大の機運を削ぐことを回避する必要がある。日本銀行には、政府の経済政策の方針と整合的な金融政策の実施が期待されている。強い経済成長と物価安定の両立(デュアル・マンデート)の実現に向けて、適切な金融政策運営が行われることが非常に重要である。
図1:潜在成長率
図2:設備投資サイクルと企業貯蓄率
図3:需給ギャップと企業貯蓄率
出所:日銀、内閣府、クレディ・アグリコル証券)
図4:ネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)
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