この記事は2026年3月31日に配信されたメールマガジン「アンダースロー:日本経済見通しのメインポイント(経済)」を一部編集し、転載したものです。

アンダースロー
(画像=years/stock.adobe.com)

目次

  1. アンダースロー:日本経済見通しのメインポイント(経済)

アンダースロー:日本経済見通しのメインポイント(経済)

① 異常であるプラスの企業貯蓄率が示す構造的な経済停滞圧力が残っているため、内需はまだ弱い。トランプ関税と原油価格上昇などによるグローバルな景気減速の下押し圧力を受ける。まだ弱い内需によって、コアコア物価上昇率(除く生鮮食品・エネルギー)は一時的に減速する。実質賃金の上昇が、内需を徐々に拡大させる力となる。

図1:企業貯蓄率と消費者物価

企業貯蓄率と消費者物価
(出所:総務省、日銀、内閣府、クレディ・アグリコル証券)

② 積極財政と緩和的な金融政策の継続によるリフレの力が、名目GDPを大きく拡大させてきた。日銀のこれまでの拙速な利上げに加え、グローバルな景気減速で、名目GDPの拡大は一時的に減速する。

図2:名目GDP

名目GDP
(出所:内閣府、クレディ・アグリコル証券)

③ ネットの国内資金需要(企業貯蓄率+財政収支)が回復し、リフレの力で、名目GDPを拡大させた。高市政権の官民連携の戦略投資と需要の拡大による積極財政の推進が内需を回復させ、グローバルな循環的景気回復も見込まれる。企業の国内支出の増加によって、企業貯蓄率が低下を始め、積極財政の動きと合わせ、消滅してしまっているネットの資金需要が再回復し、構造的な経済停滞の完全脱却に向かう力になる。

図3:ネットの資金需要

ネットの資金需要
(出所:日銀、内閣府、クレディ・アグリコル証券)

④ 設備投資サイクルの上振れが企業貯蓄率を正常なマイナスに戻す力となる。設備投資サイクルが上向いている限り、将来の供給能力の拡大の期待があるため、円安の更なる強い圧力はかかりにくい。企業貯蓄率の低下が設備投資サイクルに追い付いていく局面で、実質賃金の上昇が強くなる。経済・政策・企業・マーケットの重点が外需から内需にシフトする。

図4:設備投資サイクル

設備投資サイクル

図5:日本経済見通し

日本経済見通し
CACIBの見通し
(出所:日銀、内閣府、総務省、Bloomberg、クレディ・アグリコル証券)

会田 卓司
クレディ・アグリコル証券 東京支店 チーフエコノミスト
松本 賢
クレディ・アグリコル証券 マクロストラテジスト

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