この記事は2026年4月1日に配信されたメールマガジン「アンダースロー:日本経済見通しのメインポイント(政策)」を一部編集し、転載したものです。

アンダースロー
(画像=years/stock.adobe.com)

目次

  1. アンダースロー:日本経済見通しのメインポイント(政策)

アンダースロー:日本経済見通しのメインポイント(政策)

① 目先は地政学上のリスクが残るが、グローバルな循環的景気回復の局面と高市政権の官民連携の成長投資と需要の拡大による内需拡大で、設備投資サイクルの上昇が牽引役となり企業貯蓄率は低下の動きとなる。コアコア物価上昇率(除く生鮮食品・エネルギー)は景気停滞による減速の後、2%の物価目標に向かって再拡大。2027年には、設備投資サイクルの上振れと実質賃金の上昇による内需の強い拡大。2028年には企業貯蓄率は正常なマイナスに戻り、構造的デフレ圧力を払拭し、経済停滞を完全に脱却する。

図1:日銀とCACIBのGDP、CPI見通し

日銀とCACIBのGDP、CPI見通し
(出所:日銀、クレディ・アグリコル証券)

② 高市政権の高圧経済の方針の下、利上げは1年間止まる。中立金利に向けた利上げの本格的サイクルに入れるのは、地政学上のリスクが緩和し、内需のしっかりとした回復が見込めるようになる2026年末からとなる。2%の物価目標に向けた物価上昇率の再拡大で、ゼロ%程度の実質金利に合わせた利上げを継続。実質金利ゼロの維持が、経済活動を促進。2028年には政策金利は2%強となり、実質政策金利は物価目標対比でマイナスを脱する。

図2:日銀の政策金利

日銀の政策金利
(出所:総務省、日銀、クレディ・アグリコル証券)

③高市政権は、衆議院選挙での大勝を背景に、骨太の方針で、経済・財政政策の大転換を試みることになる。高市政権では、需給ギャップが十分に大きくなるまで、積極財政と緩和的金融政策、官民連携の投資・需要の拡大によって、「高圧経済」の方針で、経済規模の持続的な拡大にコミットする。企業の国内支出の増加によって、企業貯蓄率が低下を始め、積極財政の動きと合わせ、消滅してしまっているネットの資金需要が再回復し、構造的経済停滞の完全脱却に向かう力になる。実質賃金上昇までの家計の負担は、消費税率引き下げなどの家計支援の財政政策で軽減することになる。

図3:政府の経済政策の方針

政府の経済政策の方針
(出所:クレディ・アグリコル証券)

④地政学上のリスクが高まる中でのグローバルな景気減速の下、金融・財政政策の後押しが不十分で、信用サイクルと設備投資サイクルが腰折れれば、内需の鈍化で企業貯蓄率は上昇し、構造的デフレ不況に戻るリスクに。日銀の拙速な利上げによって、雇用・賃金・消費を含む内需の回復が遅れ、コアコア消費者物価指数(除く生鮮食品・エネルギー)の前年同月比は1%台前半まで減速する。政府の追加経済対策と、物価上昇率の減速が実質賃金を上昇させることで、内需の回復が促進される。

図4:信用サイクルと失業率

信用サイクルと失業率
出所:日銀、内閣府、クレディ・アグリコル証券)

会田 卓司
クレディ・アグリコル証券 東京支店 チーフエコノミスト
松本 賢
クレディ・アグリコル証券 マクロストラテジスト

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