2020年代以降、M&Aに本格着手

実は、マブチモーターがM&Aに本格的に乗り出したのは2020年代以降。この間、直近のマスダックを含めて6件の買収に取り組んできたが、いずれも「3つのM領域」に合致する。

手始めとなったのは2021年、スイス企業の医療機器用モーターメーカーであるエレクトロマグ(現マブチモーターエレクトロマグ)の買収。2023年には、医療機器、車載、家電などに使われる小型ポンプを製造する応研精工(現マブチモーターオーケン、東京都稲城市)を傘下に収めた。

続いて2025年、樹脂ギアメーカーのオービー工業(現マブチモーターオービーギアシステム、大阪市)、沖マイクロ技研から小型モーター事業(現マブチモーターマイクロテック、福島県二本松市)を相次いで子会社化。沖マイクロはマブチーが手がけていないタイプのモーターを持ち、品ぞろえの充実を目的とした。

今年1月に子会社化を完了したのは日本パルスモーター(現マブチモーターNPM、東京都文京区)で、取得額は66億円。同社は半導体製造装置や工作機械、医療機器分野を強みとする。

現在、車載向けが売上高の8割近く

マブチチモーターは戦後、戦後、同社は戦後、玩具・模型用モーターから事業をスタート。現在の主力の自動車電装機器市場には1970年代に進出した。

ドアミラー用モーターで約80%、ドアロック用モーターで70%超の世界シェアを持つなど、こうした車載向けモーターが売上高の8割近くを占める。日本、米国、欧州、中国、アジア・太平洋の5極体制を確立し、海外販売比率は9割を超える。

売上高の残る2割強は事務機器、健康・医療、家電・工具・住宅設備、理美容などの「ライフ・インダストリー機器」向けモーターとなっている。

同社の2025年12月期業績は売上高2.1%増の2004億円、営業利益17.7%増の254億円。売上高は初めて2000億円を突破した。足元の26年3月期は売上高6.3%増の2130億円、営業利益2.1%増の260億円を見込む。

M&A Online
(画像=「M&A Online」より引用)

新規領域で500億円を実現へ

2024年にスタートした7カ年の経営計画では最終年度の2030年12月期に売上高3000億円、営業利益300億円以上を掲げる。売上高構成は車載機器向け2000億円、ライフ・インダスリー機器向け500億円、新規領域500億円を想定している。

このうち新規領域の500億円については直近5年間に買収した各社の2026年売上計画(6月に子会社化が完了予定のマスダックを含む)を合計すると、その7割以上をカバーするとし、計画達成がすでに視野に入りつつある。

2030年に向けた経営計画では7年間で700億~800億円規模の成長投資を見込む。中盤戦に迎える中、「3つのM領域」での成長加速を見据えて、次はどんなM&Aが国内外で飛び出すのか、要ウオッチとなりそうだ。

M&A Online
(画像=「M&A Online」より引用)

文:M&A Online