本記事は、長尾 義弘氏の著書『老後不安は「思い込み」が9割』(青春出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

老後不安は思い込みが9割
(画像=takasu/stock.adobe.com)

じつは、半数が70歳まで働いている

多くの人は定年後も再雇用や再就職で働きます。完全リタイアを選ぶ人もいますし、起業やフリーランスという道を選ぶ人もいます。でも、完全に仕事をやめる人は、いまや少数派です。
65歳、70歳まで働く人が増えています。
ということは、定年後もさらに10年近く働く可能性があるということです。
ここで大事なのが、「キャリアの棚卸し」です。定年後もなんとなく会社にぶら下がって10年、というのは正直つらいですよね。それに、仕事が減る分、自分の時間が一気に増えます。
ちなみに、定年制度そのものも昔とは意味が変わっています。
たとえば、国民的漫画『サザエさん』の磯野波平は54歳ですが、いまの感覚だとずいぶん年上に見えますよね。1970年は55歳定年で、平均寿命は男性約69歳、女性約75歳です。いまは男性約81歳、女性約87歳。いまの54歳の人を考えると、まだまだ現役です。一応、60歳で定年を迎えますが、65歳まで働く人が大半ですし、さらに70歳まで働いている方も多いです。
「労働力調査」の2025年のデータをみると、60~64歳で働いている人は74.9%。
65~69歳は54.5%、70~74歳は36.2%、75歳以上は、12.6%です。
つまり約半数の人は70歳まで働いているのです。
60歳定年時は、いったん正社員を区切って契約社員や嘱託社員に切り替える時期であり、それは日本独特の制度です。欧米では明確な定年がない国も多く、基本的には自分で引き際を決めます。

定年後は「余生」ではない

「ずっと働きたい」という人もいれば、「え、まだ働くの?」と思う人もいるでしょう。
もし「もう働きたくない」と感じているなら、それはいまの仕事にやりがいや幸福感を感じられていないからかもしれません。でも、定年後の仕事は少し違います。じつは、働き方の選択次第では、満足度や幸福度が上がるというデータもあります。
定年後は「余生」ではありません。人生はまだまだ長い。本当に先が長いんです。
ざっくり計算してみましょう。

  • 働いていた時間
    22歳から60歳まで、1日8時間の労働で月20日働いたとしたら、
    8時間×240日×38年間= 7万2,960時間
  • 定年後の自分の時間
    60歳から90歳まで、1日10時間自分の時間があるとしたら、自分の時間は、
    10時間×365日×30年= 10万9,500時間

働いていた時間より、自分の時間のほうが長いんです。
何も考えずに仕事をやめたら、時間を持て余します。時間を持て余すと、人は不安になります。だからこそ、60代は老後の準備期間としてしっかりすごす必要があるんです。

老後不安は「思い込み」が9割
長尾 義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『60歳貯畜ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)、『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)。共著に『定年の教科書』(河出書房新社)。監修に年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』『定年前後の手続きガイド』など多数。

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老後不安は「思い込み」が9割
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