この記事は2026年7月8日に配信されたメールマガジン「アンダースロー:Key calls(政策)政府と日銀の連携で強い経済成長と物価安定の両立を目指す」を一部編集し、転載したものです。

アンダースロー
(画像=years/stock.adobe.com)

目次

  1. アンダースロー:Key calls(政策)政府と日銀の連携で強い経済成長と物価安定の両立を目指す
    1. 金融政策:強い経済成長と安定的な物価上昇の両立のデュアル・マンデート
    2. 財政政策:戦略投資拡大と高圧経済の方針の下で積極財政を推進して内需拡大に注力

アンダースロー:Key calls(政策)政府と日銀の連携で強い経済成長と物価安定の両立を目指す

金融政策:強い経済成長と安定的な物価上昇の両立のデュアル・マンデート

2024年からの四度の利上げをしたことで、内需の回復を遅らせてしまった。拙速に動くことで、グローバルな金利上昇局面に対峙する利上げ余地を浪費してしまった。高市政権の高圧経済による構造的経済停滞からの脱却と積極財政の方針との連携がより重視される。政府は、日銀に強い経済成長と安定的な物価上昇の両立を目指す、事実上のデュアル・マンデートを課した。中立金利に向けた利上げは、半年に1回の緩やかなものとなる。2%の物価目標に向けた物価上昇率の再拡大で、ゼロ%程度の実質政策金利に合わせた利上げを継続。2028年には、企業貯蓄率がマイナスに戻り、企業の資金需要が回復し、構造的経済停滞の脱却で、実質政策金利は物価目標対比でマイナスを脱する。物価上昇率の拡大に従った利上げとなることで、実質政策金利はゼロ%近傍が維持され、企業の投資拡大による企業貯蓄率のマイナス化を支援する。2029年に実質政策金利が若干のプラスに戻るところが到達点となる。地政学上のリスクが高まる中でのグローバルな景気減速の下、拙速な利上げで、信用サイクルと設備投資サイクルが腰折れれば、内需の鈍化で企業貯蓄率は上昇し、構造的不況に戻るリスク。

財政政策:戦略投資拡大と高圧経済の方針の下で積極財政を推進して内需拡大に注力

政府の関与を縮小する自由主義的政策からの転換は継続し、成長を妨げている社会・経済課題を、政府の積極財政と官民連携の戦略投資によって解決する新機軸の方針がとられる。積極財政と高圧経済を実現する高市政権に移行し、戦略投資の拡大と減税で、景気回復を国民に実感させることで、2028年の参議院選挙までに政権への強い支持を維持しようとする。戦略投資まで税収でまかなう必要があるなどの欠陥があるプライマリーバランスの黒字化目標は、骨太の方針で形骸化し、積極財政を推進できる財政目標に転換する。予算編成方針を抜本的に改革し、当初予算に新たな投資枠を設定することで成長戦略に基づく長期投資を可能にし、危機には機動的な補正予算で対応する。外需依存から脱するため、米国との貿易紛争後の1980年代後半の内需拡大のような展開が経済政策で促進される。構造的経済停滞からの完全脱却によって、税収が大きく上振れすることで、2029年に財政収支は赤字を脱する。政府の純負債残高GDP比は、過去AAAであった50%の水準に改善する。

図1:日本経済見通し

日本経済見通し
日銀とCACIBのGDP、CPI見通し
(注:物価見通しは2027年4月から食料品消費税ゼロ%を前提
出所:日銀、クレディ・アグリコル証券)

会田 卓司
クレディ・アグリコル証券 東京支店 チーフエコノミスト
松本 賢
クレディ・アグリコル証券 マクロストラテジスト

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