積極的なM&A、変革の原動力に

「くらしまるごと」戦略具現化の手始めとなったのが2011年、中堅住宅メーカーのエス・バイ・エル(当時、東証1部)の買収だ。18年にグループ内の住宅事業を集約してヤマダホームズを設立した際には母体となり、住建セグメントの中核を担う。

2020年には注文住宅を強みとするヒノキヤグループ(当時、東証1部)を子会社化。ヤマダホームズとの両輪で戸建住宅市場を開拓する体制を整えた。

この間、2012年にキッチン・バス、洗面化粧台など住宅設備機器のハウステックホールディングス(現ハウステック、群馬県高崎市)を、19年には住宅の検査・点検を手がける家守りホールディングス(現家守り、東京都千代田区)を子会社化し、事業の幅を広げた。

足元でもM&Aの手綱は緩めていない。昨年11月に東北をエリアとする地場住宅会社の東和総合住宅(仙台市)を、今年2月にはヤマハリビングテックを前身とするトクラス(浜松市)を相次いで子会社化した。

トクラスは住宅設備機器メーカーとして高い知名度と顧客基盤を持ち、共同購買やヤマダデンキ店舗での販売促進を見込んだ。

もちろん、M&Aは住建にとどまらない。2018年に家財保険のパーソナル少額短期保険(現ヤマダ少額保険、群馬県高崎市)、23年には住宅ローンのハウス・デポ・サービス(東京都中央区)を傘下に収め、金融サービスを充実した。

環境事業も同様で、これまで家電リサイクルや建設廃棄物処理の会社などを子会社化し、体制を強化してきた。売上高に占める割合は今のところ2%台に過ぎないが、伸びしろは十分にありそうだ。

戦略店舗「LIFE SELECT」の出店を加速

ヤマダHDの直営店舗数は928店(6月末、アウトレット・リユース専門店、家具専門店などを含む)。

この中で店舗戦略の主軸に据えるのは「LIFE SELECT」だ。家電、家具からリフォーム、住宅相談、住宅展示までをフルにそろえ、「くらしまるごと」戦略を体現する大型店舗と位置付ける。

M&A Online

(画像=「くらしまるごと」戦略を牽引する大型店舗「LIFE SELECT」…東京・大井町、「M&A Online」より引用)

「LIFE SELECT」は3月末時点で41店。総店舗数の5%に満たないが、その売上構成比(2026年3月期)は20.1%と全体の5分の1を占める。

「LIFE SELECT」は50万人規模の商圏に配置することにしており、地域シェアを一気に押し上げる“装置”の役割が期待されている。今後、出店を加速して2030年3月期までに80店に倍増を目指す。