京都でし烈な高級ホテル競争…世界の富裕層観光客の取り込み積極化

2014年12月2日、森トラストグループは、世界的なホテルチェーン・スターウッド ホテル&リゾートの最高級カテゴリーブランド『翠嵐(すいらん) ラグジュアリーコレクションホテル 京都』を、2015年春に開業すると発表した。敷地面積5,388.4 ㎡(約1,630 坪)の広大な敷地に、地上3階地下1階、延床面積2,999.9 ㎡(約907 坪)の低層ホテルが誕生する。スターウッドの最高級カテゴリーホテルは日本初進出となる。客室数は39室、その内訳は露天風呂付スイートルーム4 室、露天風呂付特別室2室、露天風呂付和客室12室、標準客室21室。亀山公園と宝厳院に隣接し、保津川からの絶景が楽しめる。


京都もし烈な高級ホテル競争へ

東京で繰り広げられるし烈なホテル戦争が、京都でも起こり始めている。京都は、外国人観光客にも人気のスポットを多く有する観光地だが、高級ホテルは多くない。適した不動産が出なかったことや、京都府・市による景観を保護するための建築に関する規制が大きく影響していたからだ。ところが最近、この状況に変化が見られるようになった。

経営不振で閉鎖したホテルの跡地が出てくるなど、新たなホテル事業者が進出しやすい用地が出てきたことに加え、同市が「京都観光振興計画2020」及び(ビジネスなどでの集客を目指すための)「京都市MICE戦略2020」を策定。外国人宿泊客数年間300万人、観光に関連する消費額年間1兆円、コンベンション開催件数の世界35位、国際会議の外国人参加者比率の国内主要都市順位1位の堅持を目標に、観光事業・外国人訪問客誘致に本腰を入れ始めた。これまで同市は10年3月に「未来・京都観光振興計画2010+5」を策定し、「京都で感動した観光客数5,000万人」を目標としてきたが、これをさらに推し進めたものとなる。