◉技能移民で求められるビジネススキルとは?


「技能」・「ビジネススキル」というと、何か特殊な専門技術のようですが、実はNZ移民局により「技能職種」として認定された職業リストには現在666種類もの職業名が記載されています(2013年9月時点)。

中には「看護士」「教師」「会計士」等、NZでの資格が必要な職業もありますし、「マネージャー職」といったいわゆる管理職もこれに該当します。日本では「会社員」で通っていた職業が、「人事のスペシャリスト」「労務のスペシャリスト」「ビジネスアナリスト」などなど、どんな職業に該当するのか、これらのリストを見ているだけでもイメージが掴めるかもしれません。
申請の際に「雇用」としてのポイントを得るためには、NZ国内でこれらの職業に既に就いて働いている、または内定を貰っていることが前提となります。さらに、職業に応じて必要とされる職歴や学歴の条件が異なってきますので個別ケースごとに確認が必要です。


◉ボーナスポイント


ニュージーランドでは特にNZ人の技術者が不足している分野、専門家の人手不足が深刻な分野の職業リストと将来有望な成長分野の職業リストを公表しており、それらに該当する職業に就いている申請者は「雇用」ポイントに10点のボーナスポイントがつきます。
ボーナスポイントは他にも、NZ国内での就労年数の長い人、NZ国内で学歴を取得した人などに付与されます。


◉現地での就職活動


さて、技能移民カテゴリーでの永住ビザの申請についてあれこれご説明して参りましたが、まずは現地での就職が最初のステップです。これは本当に鶏と卵の関係で「働けるビザがない人を雇用しない」方針の雇用主が大多数を占める一方、就職希望者は「仕事が決まらないとビザを申請できない」状況のためジレンマに陥ります。
また、他の欧米諸国と同様にニュージーランドでも「学歴」について、学校名ではなく「そこで何を学んだか、どんな専門知識を持っているか」を問う文化です。

百聞は一見にしかず、下記のNZで最もメジャーな就職求人サイトをご覧ください。
http://www.seek.co.nz/
ページの「Job search」から例えば”Accountant”、”Finance”などと入力して、現在どんな求人が出ているか、応募要件になんと書かれているか、覗いてみてください。


これまで3回に渡ってニュージーランドの「投資家ビザ」「起業家ビザ」「技能移民ビザ」についてお話をさせていただきました。NZには他にも観光ビザ(日本人はビザなしで90日間の滞在が可能です)、学生ビザ、ワークビザなど、様々な選択肢が用意されています。
国の移民政策はその時々の経済情勢や国内労働市場の状況に応じて今後も柔軟に変更が加えられていくでしょう。しかし今後も「ニュージーランドの発展に貢献する人々を受け入れる」という基本方針は継続されていくと思われます。

BY M.W

ニュージーランドではイミグレーション(入国・移民等)に関してアドバイスをするためには認可されたライセンスが必要です。本寄稿は一般的な情報の提供を意図しており個別のアドバイスを行う目的はありません。

【参考文献】
New Zealand Now
Immigration New Zealand
Ministry of Business, Innovation & Employment NZ

photo credit: Stuck in Customs via photopin cc