日立製作所(日立) <6501> は1月7日、かねてから製造を進めていた英国都市間高速鉄道向けの車両を初出荷したことを明らかにした。長期間にわたる複雑な交渉の末に受注にこぎつけた巨大な鉄道車両輸出プロジェクトが一つの区切りを迎えた格好だ。

同社からこのほど出荷されたのは、2014年11月に公開された英国のIEC(都市間高速鉄道、Intercity Express Programme)向けの先行生産車両で、2015年前半に走行試験のためにイギリスに向けて出荷されることが明らかにされていた。今回、1編成が完成し、初出荷を迎えた。

また、昨年末に日立から公表された情報によれば、同社では現在、先行生産としてさらに2編成の製造を山口県下松市の笠戸事業所で行っている。全数で122編成にのぼる受注した製造車両の12編成が同事業所で作られる予定で、残りはイギリスのダーラムに建設する工場で製造される。

日立がIEP向けに納入する車両「Class 800」では、運行のための電気のない非電化区間の走行も想定し、ディーゼルエンジンを併せて搭載。同エンジンの取り外しも可能で、非電化区間にも電気が通り電化区間化された際には、エンジンなしでの運行への切り替えにも対応している。

同社ではオランダでも鉄道車両の販売攻勢を強めており、鉄道運行会社のAbellioと近郊車両の納入と保守を請け負う交渉を進めている。日立以外にも、三井物産 <8031> がブラジルでの旅客鉄道事業に参画したり、三菱電機 <6503> がインドで鉄道向け部品の製造拠点を設置したりするなど、日系企業の間でも鉄道関連事業の海外展開が盛り上がりつつある。今後の動きに注目が集まりそうだ。

(ZUU online)

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