2015日経経済見通し…官製相場の下支えで日経平均株価2万円超も?

2014年もあとわずかとなった。今年はいつもより慌ただしい年だった。特に最近は日経平均の動きが急になっている。2015年の日経平均の展望を検討する前に、2014年の日本経済の動きを振り返り、来年の投資戦略の参考にしていただきたい。


日本経済の振り返り

10月31日に日銀が金融緩和を追加でサプライズ発表したことにより、株価は急伸。発表当日だけでも前日比で755円も上昇し、予想外の良い発表となった。日銀が発表した追加金融緩和策は、量的だけでなく、質的なものでもあった。具体的な内容は、長期国債の保有残高の増加額を年間50兆円から年間80兆円へと30兆円引き上げる。上場不動産投資信託(J-REIT)や上場投資信託(ETF)についても残高がこれまでの3倍となるように買い入れを行うものだ。満期が長期となっている国債の買い入れを増やすことで長期金利の引き下げを狙ったり、株価指数に連動する上場投資信託など元本保証がない金融商品を買い入れ、リスクマネーの供給を実施し、これまで以上に「質的」にも金融緩和策となっている。

さらに、公的年金(GPIF)の運用方針の見直しも発表された。公的年金が運用する約132兆円もの多額の資産配分の比率を変更し、国債の比率を60%から35%へ引き下げ、代わりに株式の比率を24%から50%に引き上げるというもの。

特に日本株の保有割合を12%から倍以上の25%へと引き上げることが発表され、株式市場は好感した。単純に132兆円×13%=約17兆円もの資金が日本株へと振り分けられることになる。ただ注意して欲しいのは、すぐに買い入れが実施されるわけではなく、これから投資される潜在的需要となっているということだ。それにしても17兆円はサプライズだ。

また、4月に消費税率が引き上げられ、さらに12月にも消費税率が8%から10%へと引き上げられると思われていたが、2017年4月に先送りが決まり、落ち着きを見せていた消費者のマインドがさらに低下するのは回避された。


2015年、米国経済見通し

米国がくしゃみをすれば日本は風邪を引くといわれるぐらい影響が強い米国経済。2014年はどうだったのだろうか。米国は製造業を中心に非常に好調だ。雇用も改善傾向にあり、リーマンショックの影響で落ち込みをみせた不動産市況も急激に回復をみせている。これを受け株式市場も活況を呈し、株価上昇による資産効果や、ガソリン価格の下落による消費者マインドが好転し、非常に堅調となっている。2015年も好調な経済は続くものと予想される。