急拡大するETF市場

現在、数ある金融商品の中でも上場投資信託(ETF=Exchange-Traded Fund)の人気が急上昇している。日本全体で見てみると2014年現在約130~150本程度(参考:米国は約1500本程度)のETFが存在しており、取引規模はおよそ800億USドルとなっている。また、ETFの純資産総額は5年前と比較して約4倍にも拡大しており、証券会社も年々ETFのラインナップを拡充しており、かなり選択肢の幅が広がってきている。

特に2年ほど前から日本市場でも登場したレバレッジ型・インバース型のETFが個人と海外投資家の間で人気を博し、売買代金の7割程度を占めるまでになっている。レバレッジ型は連動するインデックス、例えば東証株価指数が前日比+10%であれば、+20%となるETFであり小さな資金で大きな利益を狙えるタイプとなっている。一方、インバース型は連動するインデックスの逆数、例えば東証株価指数が前日比-10%となった場合+10%となるETFであり下落相場でも利益を狙えるタイプとなっている。
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人気の理由は「低コスト」で「リスク分散」

ETFの人気の理由は低コストで分散投資が行えるという点である。証券会社にもよるが一口4,000~5,000円で始める事が可能であり、信託報酬について投資信託と比較するとETFは約1/2~1/3と割安な設定となっている。

分散投資と言う面ではETFは様々なインデックスに連動する様になっており、例えば東証株価指数に連動するETFであれば東証全体に分散投資している事になる。1社の株式を購入する事は倒産リスクにさらされる事になり倒産した場合はほぼ何も残らなくなってしまうが、ETFは多くの会社の株式に分散投資するので倒産リスクもヘッジできる事になる。

さらに株式の様に売買する事が出来る為、任意のタイミングで利益確定や損切りができる事も大きな要因である。


人気は「主要インデックス連動型ETF」

ここで具体的にどの様なETFがあるのか紹介していく。主要なインデックス(東証株価指数やTOPIX等)に連動する物もあれば、ある業界(機械・電気・医薬品・建設)にポートフォリオした物等、多種多様である。自分が詳しいインデックスや業界を選ぶ事でタイムリーな売買が可能となる為、どのETFを選ぶかが勝敗を左右する。

モーニングスター社の国内1年ETFリターンランキング(2014/9時点)によると国内上位5位は以下の様になっている。この5つはどれも上昇傾向にある市場の主要インデックス連動ETFとなっており、リターンランキングでは人気のレバレッジ型・インバース型はランクインしていない事が分かる。

1位 マザーズ・コア上場投信(基準価格1年リターン 131.3%)
2位 (NEXT FUNDS)インド株式指数上場投信(基準価格1年リターン 50.3%)
3位 (NEXT FUNDS)NASDAQ-100(R)連動型上場投信(基準価格1年リターン 41.5%)
4位 上場インデックスファンドCNX Nifty先物(基準価格1年リターン 39.8%)
5位 上場インデックスファンド米国株式(S&P500) (基準価格1年リターン 32.7%)


リスクに対応した投資を

今や将来への備えとして資産運用は企業のみならず、個人まで目をそむける事が出来ない課題となっている。私達の目の前には進行する円安による物価上昇リスク、少子化による年金支給額の減額リスク等、真面目に働いているだけでは解決できない問題となり、そういったリスクに対応する為、自分の資産を他の形に変えて保有しなければならない。

さらに言えば分散投資による資産運用でリスクを希薄化しなければならず、そういった面でETFは個人レベルでも分散投資可能な商品として注目を集めている。ETFは販売会社報酬分が不要で、オープン型の投資信託と異なり取引所での売買となる為、長期的に見てもコスト面では優位性が高い。今後さらに海外市場ETFも取扱う証券会社は増加傾向にあり、数年レベルで拡大を続けると考えられる。

(ZUU online)

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