消費税10%への引き上げが1年半延期されたことに伴い、「住宅ローン減税」の期限が2017年12月末から2019年6月末までに延期された。住宅市場の落ち込みが懸念されるため、延長が必要であると判断されたものだ。このような優遇税制が、2015年のマンション市場動向にどのように影響を与えていくのか見て行くことにしよう。
住宅ローン減税のインパクトは?
住宅ローン減税とは毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が最大10年間に渡り所得税の額から控除される。2014年4月の新制度からは控除対象限度額の上限が4,000万円になり、10年間の減税額の最大400万円減税が可能になっている。この税制が具体的にどの程度のインパクトがあるのかを見てみることにする。
現在、住宅ローンは金融機関の間で異常なまでの金利の過当競争が繰り広げられている。
2014年12月時点でフラット35の利率は最も低いもので1.56%まで下がっている。りそな銀行や楽天銀行、その他地方銀行が1.56%の商品を提供している。仮に年収550万の人が3,000万円を1.56%で借り入れをした場合、10年間の合計で240万円※程度の控除額が見込める。
当初10年間を平均すると毎年24万円相当の控除である。24万円は3,000万円の0.8%であるため、当初10年間は1.56%-0.8%=0.76%の住宅ローンを組んでいることになる。マンション購入時に仮に値切り交渉をしたとしても240万相当も値切るのは至難の業だ。住宅ローン減税があるだけで、支払総額をこれだけ下げることが出来ると考えれば、やはりこの制度はかなりお得な税制と言えるであろう。(※頭金300万円、ボーナス祓い20万円で試算。その他、配偶者や扶養家族の有無等の条件により金額は異なる。ホームページで無料の住宅ローンシミュレーターがあり、条件を入力するだけで簡単に減税額が試算できるため、興味のある方は試して頂きたい。)