2015年のマンション価格はどうなる?
それでは、2015年以降のマンション価格はどのようになっていくであろうか。2014年のマンション動向を振り返りながら予想してみよう。2014年1~11月の首都圏の新築マンション平均価格は5,070万円であった。これは1992年に叩き出した5,066万円以来の高水準だ。前年同月比も2.9%と上昇基調を保っており、空前のマンションブームが再来していると言える。また、近畿圏の2014年1~11月の新築マンション平均価格も3,625万円で、こちらも1997年に叩き出した3,687万円に匹敵する高水準となった。近畿圏においても前年同月比と3.7%で上昇基調が続いている。このように新築マンション価格は上昇傾向にあり、2015年もこの上昇水準は続くものと予想される。
一方で、供給側の理論からすると、新築マンションの売値は下げられない状況にある。マンションは土地の仕入れから竣工・販売までおよそ2年程度の歳月を有する。そうすると、2015年以降竣工するマンションはちょうど2年前にディベロッパーが土地を仕入れたものだ。ちょうど2年前は建築費が職人不足という構造的な理由から一気に高騰していった時期だ。その時期に土地を仕入れたディベロッパーは、建築費を売値に転嫁させて土地を仕入れている。そう言った意味ではこの新価格と言われるマンションの高い売値は2年前からのマンションディベロッパーの描いたシナリオと言えるであろう。
2014年の首都圏・近畿圏の在庫状況
更に2014年の在庫状況を確認する。首都圏の2014年11月時点での在庫状況は3,862戸あった。これは2014年の供給数42,500戸に対し9%程度であるため、低水準に留まっている。また近畿圏の2014年11月時点での在庫状況は2,046戸であり、これも2014年の供給数19,000戸に対して11%程度であり低水準に留まっている。都心部では品薄感が広がっている状況だ。
以上のように、マンションディベロッパー側の売値が下げられない事情に加え、品薄感もあり、マンション価格の上昇傾向は続くことが予想される。更に、低い住宅ローンの金利と住宅ローン減税延期のプラス要因が加わって、2015年のマンション市場はまだまだ熱が続きそうだ。
(ZUU online)
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