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日本政府観光局は「2014年11月の訪日外客数は、前年同月比39.1%増の116万9千人で、これまで11月として過去最高であった2013年(84万人)を32万9千人上回った。また、2014年3月から9カ月連続で月間の訪日外客数が100万人を超え、11月までの累計で1,200万人を突破した」と発表。2013年に年間最多を記録した1036万人を10月時点ですでに上回っており、2014年は年間で1300万人を超える見込みである。

急激な円安によって日本への旅行が一段と割安に感じられるようになったほか、東南アジア向けの訪日ビザ緩和や羽田空港の国際線増便などによって日本に訪れやすい環境が追い風となった結果だ。さらには訪日観光客向けに消費税の免税対象を拡大したことも、買い物客を呼び込む材料となっている。加えて、東京オリンピックの決定や富士山の世界遺産登録など、国際的に注目を集めるニュースが続いていることも大きい。


着実な伸びを見せる外国人観光客数

「超大国日本の挑戦」の著者としても有名なシンクタンクのハドソン研究所創設者・未来学者ハーマン・カーン氏は「21世紀は観光の時代だ。観光産業が世界最大の産業になる」と予測した。2013年、国家安全保障に献身し創造力・先見の明のある指導者に与えられるハーマン・カーン賞を安倍首相が受賞。ハーマン・カーン氏の未来予想図と日本の政府の方向は今まさに合致していると言っていいだろう。実際にWTOの統計によると1950年の全世界の観光客はわずか2500万人だったが、2000年には7億人近くにも増加した。対してその頃の日本では、メディアなどで海外旅行が話題になっても外国人観光客の来日を取り上げることはなかった。しかし2003年、小泉内閣によって観光立国懇談会が設置され、当時500万人ほどでしかなかった訪日観光客を2010年には1000万人まで拡大するとの目標を掲げた。実際に達成されたのは2013年ではあるが、着実な伸びをみせる訪日観光客は今後も更なる増加が期待されている。