シリコンスタジオ新規上場(IPO) ゲーム開発と人材事業の相乗効果

(写真=Thinkstock/Getty Images)

ここ数年のIPOの傾向として、高確率で公開価格を初値が大幅に上回っているのがスマートフォン向けゲーム関連だ。直近では、2014年12月に上場した、カヤック <3904> が公開価格560円に対して初値1,803円、エクストリーム <6033> が公開価格1,400円に対して初値5,550円と数倍になっている。そんなスマートフォン向けゲーム関連銘柄がまたひとつ増える。2月23日上場予定のシリコンスタジオ <3907> だ。(ブックビルディング期間は2月4日から10日)

同社は、1999年11月にリアルタイムグラフィックス(コンピュータ上で3D画像を高速に生成する技術)に関する事業を展開することを目的に設立され、現在は、開発推進・支援事業、コンテンツ事業、人材事業の3つのセグメントで事業が構成されている。


人気ゲームを制作した開発事業

開発推進・支援事業では、家庭用ゲーム機・スマートフォン・組込機器向けのミドルウェアの開発・販売、コンソールゲーム及びオンラインゲーム(ソーシャルゲーム、スマートフォンネイティブアプリ等)等の受託開発、サーバーネットワークの構築・運用・監視等のソリューションを提供しており、開発・販売したミドルウェアは、マーベラス <7844> の「ヴァルハラナイツ3 GOLD」等多岐にわたって利用されている。また、受託開発では、ゲームメーカー大手のスクウェア・エニックス <9684> より「ブレイブリーデフォルト」のゲーム開発受託を受ける等、2013年11月期決算では2,604,929千円を売り上げた。


伸び代大きいコンテンツ事業

コンテンツ事業では、自社でソーシャルゲーム、スマートフォンネイティブアプリの開発・提供を行っている。700万ダウンロードを突破した「逆襲のファンタジカ」など人気タイトルを多数リリースしており、2013年11月期決算でも4,098,845千円(前期比39.8%増)を売り上げる、同社の主力事業である。そして、「パズル&ドラゴン」の人気で前年対比の売上高が5倍以上、営業利益が8倍以上となったガンホー・オンライン・エンターテイメント <3765> のようにひとつの人気作で大きな伸びが期待できる事業である。


ゲーム関連企業では珍しい人材事業

また、ゲーム関連企業では珍しく、人材事業を行っている。CG、ゲーム制作、映像制作、WEB制作の各業界におけるデザイナーやクリエイター等の技術者をクライアント企業に対して、有料で紹介する人材紹介サービス、および登録派遣社員を派遣する人材派遣サービスを提供するという、エンターテイメント業界特化型の人材ビジネスを展開している。

一般的な人材紹介会社、人材派遣会社と異なり、自社でゲーム等の開発を行っていることから、人材の見極めという点で、クライアント企業のニーズを的確にとらえることができるという優位性がある。

他のセグメントと比較して、売上高は小さいが、セグメント別の利益では202,114千円と、開発推進・支援事業(セグメント利益730,701千円)やコンテンツ事業(同594,173千円)の利益には劣るものの事業の柱のひとつとしては十分な水準にある。その理由としては、人材事業が設備投資の費用や人件費(シリコンスタジオの人材事業は他事業の10分の1程度の人員である)が少なく済むことなどが挙げられる。アベノミクスによる今後の景気拡大の可能性を考えれば、魅力的な事業と考えて良いのではないだろうか。

(ZUU online)