事業分社化のデメリット

事業分社化のデメリットとしては、第1に、親会社が子会社を管理しなければならないので、管理コストが発生する。第2に、子会社自体にも総務や経理といった部門が必要になるので、事務コストが余計にかかるようになる。事務所が本社から移転する場合には、賃料や水道光熱費などのコストも発生する。第3に、企業理念というものが崩壊するリスクがある。例えば、ソニーには、高品質でデザインも優れているというブランド価値があるが、分社化して子会社が独自の発想で製品を作るとソニーとしての統一的なデザインや品質が維持できなくなる可能性がある。

以上のように、事業分社化にはメリットとデメリットがあるが、長く続いたソニーの業績不振は、やはり大企業病にあったといえよう。つまり、ウォークマンに代表されるようなベンチャースピットが失われかけていたのではないかと思う。今回の事業分社化によって、事業遂行におけるフットワークが軽くなり、柔軟な発想で世界を驚かすような商品をぜひ開発してもらいたいものだ。(ZUU online 編集部)