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(写真=Thinkstock/Getty Images)

ソニー <6758> は、 2月18日、2015年度から2017年度までの「中期経営方針」を発表した。それによると、2017年度までの目標として、ソニーグループ連結で、ROE10%以上、営業利益5,000億円以上を達成するとしている。目標達成のための手段として、昨年実施したテレビ事業の分社化に続き、2015年10月を目途として、ビデオ・サウンド事業を分社化し、他の事業についても分社化に向けた準備を進めるとの方針を打ち出した。


事業分社化とは?

事業分社化とは、1つの会社の中にある事業を分離して、独立した子会社を設立するこという。例えば、ある会社でホテル事業と輸送事業をしていた場合に、ホテル事業だけを分離し、別の子会社を設立して、その子会社にホテル事業に専念してもらうというものである。ソニーの場合、かつては、テレビ、パソコン、オーディオ、ゲームなどさまざまな事業を1つの会社で行っていたが、これらの事業を順次分離し、それぞれ子会社を設立して、独立して業務を遂行させる形をとるのである。


事業分社化のメリット

事業分社化するとどのようなメリットがあるのだろうか。事業分社化をする目的は、まず第1に、責任を明確にするということである。大企業において、いくつもの決裁を経て事業運営をしていると、責任がどこにあるのか不明確になりがちである。これが分社化されれば、少なくともその事業については、その分社化された会社の責任になるので責任が明確になるということである。例えば、ソニーの中でも黒字の部門と赤字の部門があったとして、ソニー全体で赤字となれば、黒字の部門はやる気がなくなり、赤字の部門は他の部門も赤字だからと責任の意識が薄くなるということがある。これを分社化すると、黒字の部門は更なる黒字を目指しやる気になるし、赤字の部門も責任の所在が明らかである以上、何とか黒字にしなければと必死になる。

第2に、意思決定の迅速化である。大企業のように人が多くなれば、業務遂行や意思決定の場面において必ず反対する人が出てくるので、リスクをとって積極的にチャレンジすることが難しくなる。それに対し、分社化すると少人数の判断で意思決定ができるので、迅速な企業運営ができる。また、人的しがらみが少なくなることで、他社からの部品調達や新規取引先の開拓も容易になる。

第3に、人材確保や人件費の柔軟化が挙げられる。大企業の場合、給与体系や人材採用は規定に則って平等に扱わなければならなので、平均化されたものになってしまう。つまり、安い給与でもないが高い給与も支払えない。しかし、分社化されれば、優秀な人材を高い給与で引き抜くことも可能になる。

第4に、分社化しておくことで、いつでも企業を売却することが可能になる。分社化しなくても事業譲渡をすることは可能であるが、事業譲渡は手続がかなり面倒なので、分社化していれば、株式を譲渡することにより簡単に売却できる。