すでに動き始めたゴルフ場も

すでに、若年層を中心とした新規顧客やゴルフを始める人を増やす試みが、ゴルフコースなどで行われている。

昨年、リクルートライフスタイルが20歳の若者を限定としたゴルフ場(9ホールのプレイ)とゴルフ練習場(1時間で100球まで)が無料で利用できる「ゴルマジ!20~GOLF MAGIC~」を開始、全国200以上の施設でサービスを提供しており、今後4年間継続していく予定だ。

ほかにも、ゴルフ人口の中心であるシニア層とその子や孫を対象とする家族割や、利用者の8割が男性という現状を打破するため、女性をターゲットとする取り組み、さらには初心者が無料でコースを回ることができるイベントなど、様々な施策を講じるゴルフコースも見受けられる。

また、ゴルフコースと併設された施設をカフェやバーベキュー施設として提供するなど、ゴルフを中心に多種多様なコミュニティを築こうとしているゴルフコースもある。こうして、様々な試みで若年層や、取り込む余地のある層の囲い込みを図っているのだ。

ゴルフ業界全体の生き残りをかけて

今後のゴルフ業界の生き残りをかけて、既述のように、いくつかのゴルフコースは、すでに行動を起こしている。しかし、個別のゴルフコースによる取り組みだけでは、ゴルフ業界全体がV字回復することは難しいだろう。過去に多くのスポーツ業界に見られたような、盛り上がる時の「空気感」をもう一度創り出さなければならない。そのためには、個々のゴルフコースや関連企業の取り組みも、もちろん大切だが、ゴルフ関連団体主導による、もっと大枠でのマーケティングが必要となるだろう。

若い世代に慣れ親しんでもらうことも、もちろん必要ではある。しかし、同時に今の利用者が離れていかないような施策を絶え間なく打っていく姿勢も、今以上に求められてくるだろう。(ZUU online 編集部)