出光興産による昭和シェル石油の買収交渉がニュースになるなど、2014年は業界再編の動きが顕著に出てきた年だった。
業界再編が進んだ石油業界と金融業界
石油業界は省エネやエコカーの普及を受け、石油の供給能力が需要を大幅に上回る過剰供給状態だ。もともとこの業界はプレーヤーが多く、このため競争は一層厳しくなってきている。
このようななか、出光興産が昭和シェル石油に買収交渉を行っているというニュースが流れた。仮に実際に買収が実現すれば、石油元売りトップのJXホールディングに迫る規模となり、2強体制となる。
また、金融業界も業界再編が進んだ。東京都民銀行と八千代銀行、横浜銀行と東日本銀行、肥後銀行と鹿児島銀行など、各行がホールディングスを設立し経営統合すると報じられ、地方銀行も再編が始まっている。
しかし業界再編劇は、石油業界や金融業界にとどまらない。では今後、どの業界の再編が進んでいくのか考えてみたい。
スマートフォンになくてはならない半導体業界
半導体需要の中心がパソコンからスマートフォンへと移行していく中、昨年、米Applied Materials社と東京エレクトロン社の経営統合が発表された。また、NECエレクトロニクスとルネサステクノロジーによる統合により、ルネサスエレクトロニクスも誕生、さらにエルピーダメモリは経営破綻後、米マイクロン・テクノロジーの子会社になるなど、業界再編の動きは激しい。
今後も、旺盛なスマートフォン向け需要に応えるため、業界再編が一層進んでいくことが予想される。
スマートフォンゲームも含め激しく争うゲーム業界
ゲーム業界も競争が激しくなっている。スマートフォンゲームは好調だが、家庭用ゲーム機を別途購入する必要があるゲームは苦戦を強いられている。大手の任天堂が「パズルアンドドラゴンズ」で有名なガンホーと手を組んでゲームを開発するなど、競争が一層激しくなることが予想される。