「時に人を得た」とアローラ氏をCOOに
ソフトバンク2・0で、グローバル展開を加速させるが、その要の人材として、バイスチェアマンのニケシュ・アローラ氏がSBGの代表取締役副社長に就任する。英語での役職名はPresident&COO。そして孫氏はSBGの代表取締役社長となるが、英語での役職名はChairman&CEOとなる。孫氏は上場以来、初めてPresidentの座をほかの人に譲ることになり、アローラ氏が最有力の後継者候補であることを明らかにした。
アローラ氏はインド出身の47歳。米グーグルの上級副社長兼最高事業責任者を務めていたが、14年9月にソフトバンクに参画、米国で海外事業を担当している。
そのアローラ氏を孫氏は次のように評する。
「大変有能な人材を続々とリクルーティングし、増やしている。インターネットのテクノロジーについては私を上回る才覚を持っており、多くを学んだ」 なお、これまで孫氏の片腕的な存在で、代表取締役副社長の宮内謙氏は、ソフトバンク本体の代表取締役から外れ、新ソフトバンクの代表取締役社長兼CEOとして国内事業に専念する。
SBGにとって、孫氏の後継者問題は経営課題の1つであり、10年に後継者育成機関として「ソフトバンクアカデミア」を開校した。しかし、最初の後継指名者はアカデミアから生まれなかったことになる。
ただし、孫氏の年齢とグローバルなビジネス展開を考えると今はアローラ氏以外に孫氏の代わりが務まる人材がいないということなのだろう。現在57歳の孫氏にとっては、事業を完成させ、後継者への引き継ぎを意識する段階に来ている。自身の引退は否定しながらも、「時に人を得た」と満面の笑みで孫氏はアローラ氏を紹介した。
CEOとCOOの2頭体制はソフトバンクとしては初めてのこととなり、機能するかどうか注目が集まる。 (この記事は6月9日号「 経済界 」 に掲載されたものです。)
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