ソフトバンクがグローバル展開を加速する。それは本業回帰であり、世界のベンチャーの成長を取り込み、さらなる飛躍を目指す試みだ。そして要の人材として元グーグル上級副社長のニケシュ・アローラ氏をCOOに指名。同氏は最有力の後継候補と期待されている。( 提供: 経済界 文=村田晋一郎)
インターネットに回帰しグローバル展開を加速
ソフトバンクは2014年度の決算発表に合わせて、15年度からの新体制を明らかにした。孫正義氏は、「ソフトバンクは第2のステージに向かう転換期を迎えている」とし、新たに「ソフトバンク2・0」と称する体制に7月より移行する。
具体的には従来のソフトバンクが、「ソフトバンクグループ株式会社」(SBG)に商号を変更し、純粋持ち株会社としての位置付けを明確化。同時に現在のソフトバンクモバイルがソフトバンクとして国内の通信事業を継承する。今回のソフトバンク2・0への移行は、よりグローバルのインターネット事業を加速させるためのもの。
その理由は大きくは2つある。ひとつはまずインターネット事業がある意味、ソフトバンクの本業であること。ソフトバンクにとって、05年のボーダフォンジャパンの買収による携帯電話事業参入以前は、インターネット企業への投資や連携が事業の柱だった。しかし、近年は、ボーダフォンジャパン買収以降もイー・モバイル、米スプリントの買収などで、国内および米国における通信インフラを整えることに注力してきた。