「この10年は頭の使い方から時間の使い方まで90%を通信インフラに傾け、インターネット企業への投資は趣味のようにほそぼそと続けていた」と孫氏は語る。
通信事業がある程度軌道に乗ってきたことと、グローバルのインターネットビジネスの動きが加速していることから、今後は本業回帰し、インターネット事業に注力していく。
インターネット事業に回帰するもう1つの理由は、インターネット分野のベンチャーの活力を取り込むことだ。 孫氏は決算発表の場で、「30年ライフサイクル問題」に言及。テクノロジー企業の問題点として、どんなに成功した大企業も30年でピークが来て実質的な成長が止まるという。その要因は、テクノロジーが古くなる、創業者が歳をとる、ビジネスモデルが古くなる、といったもの。
孫氏は、「ソフトバンクは、こうした大企業に成り下がりたくはない。それは最大の屈辱、最大の失敗を意味する。われわれは、今後とも最大のベンチャー企業であり続けたい」と語った。
そのためにもグローバルで展開するインターネット企業の筆頭株主となり、事業をマネージすることで、戦略的なグループを形成していく。現在、こうしたグループ内のパートナー企業の代表格が中国のEコマース企業のアリババグループであり、さらなる成長に期待を寄せている。
そのほかにもインドのEコマース企業のスナップディールやタクシーアプリの企業オラなどグループを拡大している。
今後は世界の起業家とともにパートナーとして一緒に経営を拡大し、ビジネスモデルを革新し、お互いにシナジーを出し合う流れをつくっていく。