(写真=PIXTA)
外国為替市場での円安の進行や、原材料価格の上昇によって、ハム、ソーセージやチーズ、バター、チョコレートなどの実質値上げが相次いだ。
例えば日本ハム <2282> は昨年7月1日にハムやソーセージの値上げを行ったが、6月末に1979円だった株価は全般相場の上昇や日ハム自体の業績好調も相まって、今年1月には2999円まで買われた。
江崎グリコ <2206> も3月1日からアイスクリーム製品を値上げ。2月末に5220円だった株価は4月10日に6340円まで上昇。値上げが株価にポジティブに影響する銘柄も出ている。7月以降にも新たに値上げの動きも出る中、値上げ関連銘柄に再注目したい。
カゴメ <2811> は4月1日からトマト製品の値上げを実施、ケチャップの値上げは約25年ぶりとなった。今12月期第1四半期 <1?3月> 決算は、飲料事業は競争激化や消費増税前の駆け込み需要の反動の影響が出たものの、食品事業では値上げの影響から、ケチャップが好調となった。
一方、ソースは消費増税の影響を受けたが、8月1日からはソース63品目の値上げを発表。今後の業績への寄与も期待できそうだ。株価は1900円どころのフシ目を上抜いた後は、6月24日に2015円まで上昇、騰勢を強める。
永谷園 <2899> は7月1日からのお茶漬けやふりかけなどの値上げを発表。主力のお茶漬け製品の値上げは約25年ぶりという。株価は1100円台を中心としたもみ合いを続けており、出来高の少なさは懸念材料となるものの、今後は注目されそうだ。
森永製菓 <2201> 、明治ホールディングス <2269> も同じく7月にチョコレート製品関連の実質値上げを実施。食品以外では、コクヨ <7984> も文房具の値上げに動く。
入場者堅調のOLC、反騰期待
一方、逆にこうした値上げの動きに株価の反応が鈍かった銘柄にも注目できそうだ。オリエンタルランド <4661> は「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」の4月からの値上げを発表。ただ、株価はそれまでの上昇の反動もあり、3月30日の年初来高値9890円以降は軟調に推移している。
ただ、4月以降の利用者数の動向に関して天候不順要因を除けば、ほぼ影響は出ていないといい、好調は継続。業績面では、今後のテーマパーク事業の投資負担が重いものの、来3月期からは「東京ディズニーシー」の開園15周年を控えてさらなる盛り上がりが期待できそうだ。株価は、26週移動平均線近辺で下げ渋りの動きと、今後の反騰も期待される。(6月26日付株式新聞掲載記事)
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