Hong Kong cityscape at night
(写真=PIXTA)


モディ首相で変わったインド

フィデリティ・ワールドワイド・インベストメントのシニア・インベストメント・ディレクター、マシュー・ザサーランド氏が6月12日、「アジア株式市場の見通し」をテーマに インドの経済成長 ついて語った。

「インドの新しい指導者、モディ首相に期待が寄せられています。強みもありますし、また単独で過半数を確保するという久しぶりの状況です。改革も進めていますし、市場寄りの姿勢も示しています。行動が起こせる人のため、常に期待が高いと言えます。

株式市場を見ると、選挙前に期待で上昇した分の反動がみられます。これはアベノミクスの期待であがったのち、期待ほどではなかったことが嫌気され売られた局面と似ています。

この1ヶ月程で5%程度の調整が入りました。ただ、我々としてはモディの方向は正しいと考えております。今は将来の調整に向けての基盤作りをしていると見ています」


中国と異なる点は?

「インドで大きいのは、投資の重要性です。中国の状況とインドは反対です。中国は、非常に大きな投資を行いましたが、インドはほとんど投資をしてきませんでした。途中で中断されるなど、なかなか実行に移されませんでした。承認や認可がなかなか下りず、非常に複雑な仕組みになっています。これは各省庁で任期を終えざるをえないので、選挙が必要でした」

GDP成長はどうなのだろうか。

「固定資産への投資が回復してきているため、GDPの成長率も伸びてきました。ここ3ヶ月ほどは7%まできている状況のため、数字としては良いと思います。2016年〜17年に関しては、中国を上回る成長がインドに期待できると考えております」

ではバリュエーションに関してはどうだろう。

「インド市場のPERは17.2倍と、10年平均の16倍よりも若干割高です。PBRに関しては、10年平均の平均値です。水準としてはフェアバリューという状況ではないでしょうか」