先週発表された主な経済指標
◆7月13日 中国貿易収支 6月 +465.4億ドル、市場予想 +567 億ドル、前回 +594.9 億ドル
輸出 6月 +2.8%、市場予想 +1.0%、前回 -2.5%
輸入 6月 -6.1%、市場予想 -15.5%、前回 -17.6%
6月の中国の輸出は前年比2.8%の増加と、1%増の市場予想を上回って増加率が前月から拡大しました。また、6月の輸入は15.5%減を見込んでいた市場予想を大きく上回り、前年比6.1%減と減少率が前月から縮小しました。こうしたなか6月の貿易収支は465.4億ドルの黒字となりました。
輸出については、「中国輸出金額の推移 地域別」のグラフを見ると、6月の各地域向けの輸出は前月から軒並み改善しました。
特にアジア向けの輸出の伸び(5月の187→6月の206)が目立ちました。一方、輸入については、前年比が前月より下げ幅を縮小したものの依然としてマイナス圏に留まっており、弱い内需、鉄鉱石などの原材料の価格の低迷が主な原因と考えられます。
◆7月15日 固定資産投資(前年比) 6月 +11.4% 市場予想 +11.2%、前回 +11.4%
6月の固定資産投資額は前年比11.4%増と、市場予想の11.2%増を上回りました。内訳をみると、6月の不動産投資が引き続き減った一方、建設業投資が前月から大幅に増加しています。
◆7月15日 鉱工業生産(前年比) 6月 +6.8% 市場予想 +6.0%、前回 +6.0%
6月の鉱工業生産は前年比6.1%増と、前回の6.0%増より小幅な改善がみられたほか、市場予想の6.0%増を上回りました。6月の鉱工業生産のリバウンドは上旬の利下げが功を奏したと考えられます。
◆7月15日 国内総生産(前年比) 2Q +7.0% 市場予想 +6.8%、前回 +7.0%
4-6月期の国内総生産(GDP)は7%増と市場予想を上回り、1-3月期のGDPから横ばいとなりました。内訳を見るとサービスセクターが牽引役として(名目では1-3月期の9.6%→4-6月期の11.1%)顕著な改善をみせました。
なかでも、金融業の伸びが最も目立ちました。先進国の緩やかな景気回復で純輸出も堅調で全体の追い風となったものの、固定資産投資と工業生産高はともに鈍化しており、基礎的な経済が依然として脆弱である側面を示しています。
総じてみると、4-6月期のGDPが7%増を維持したことは政府の度重ねる金融緩和と財政出動が奏功したと考えられます。また、6月の主な経済指標が軒並み市場予想を上回って改善したことから、下半期には利下げや預金準備率の引き下げなどの追加緩和を緩める可能性がありそうです。
ただ、信用取引の監督強化などによってマーケットが堅調さを保てるかどうかは不透明なことから、下期も緩和的な政策スタンスが継続するとみています。