今後発表される主な経済指標
◆7月24日 Caixin中国製造業PMI 7月 市場予想 49.7 前月 49.4
中国大手メデイア・財新メディア(Caixin Media)は6月30日、英HSBC社から引き継いで、英調査会社マークイット(Markit)が集計している中国の製造・非製造業購買担当者景気指数(PMI)のスポンサーになったことを発表しました。調査の中身は不変なので、景気動向の「先行指数」として引き続き注目されるとみられます。
7月のCaixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が日本時間24日に発表される予定です。7月のCaixin中国製造業PMIは49.7が予想されています。
マーケットビュー
◆中国株 「深港通」期待で堅調な推移か Caixin中国製造業PMIに注目
中国本土市場では上海総合指数が1週間で2%高と続伸しました。公安部による相場操縦の調査や、地方融資プラットフォーム向けの2000億元(約4兆円)のインフラ投資支援計画観測などが好感され、上海総合指数は買い先行となりました。
その後、4-6月期のGDPなどの経済指標の改善で金融緩和期待後退したことから利益確定売りが出て大きく下げたものの、4証券日報(中国証券報、証券時報、証券日報、上海証券報)が今後証券市場に関して強気の論説記事を掲載したことに加え、中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC、日本の金融庁に相当)が6種類の市場操縦の行為を禁止することを公表したことも好感され、週後半は上昇に転じました。
また、金曜日は株価指数先物7月物の清算日でしたが、波乱なく通過したことによる安心感で今週月曜日も買いが優勢となり、一時節目の4,000ポイントを回復する場面もみられました。
香港市場ではハンセン指数が1週間で2%高となり5週ぶりに反発しました。ギリシャ債務問題をめぐる協議の進展期待でハンセン指数は買い先行となったものの、追加緩和期待後退による中国本土株の大幅下落が嫌気され、14日と15日には売りが優勢となりました。
ただ、中国本土株が持ち直したことに加え、欧米株が堅調だったこともあり、先週後半は上昇となりました。ただ、月曜日は買い材料に乏しいなか小幅に下落しています。
今週の上海総合指数とハンセン指数はともに堅調推移が予想されます。海外では、ギリシャ政府が欧州中央銀行(ECB)保有の国債償還で42億ユーロを支払ったほか、国際通貨基金(IMF)に対しても滞納分の20億ユーロを返済したことから、ギリシャ債務問題が当面の危機を回避したとしてリスクオンに転じるとみられます。
また、中国では中国証券監督管理委員会が改めて政府系機関が株価対策として購入したETFを売却するとの報道を否定したことが投資家心理の改善につながりそうです。
さらに、「深港通」という深センと香港の両株式市場の相互取引が国慶節(10月1日)前後に開始との観測が浮上したことも買い材料となりそうです。なお、24日に7月のCaixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値の発表があり、注目されます。
林宇川(TonyLin)
マネックス証券
フィナンシャル・インテリジェンス部
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