先日、厚労省の年金情報流出の問題などもあり、国民の間では抵抗が強くなっています。

「それでも、国がマイナンバー制を考え直そうなんて動きはまったく見られませんよね。つまり、国としてはなんとしてもマイナンバー制を導入し、税収を増やしたい。インフレによって借金の負担を減らすと同時に、課税を強化して収入も増やす。インフレ政策とマイナンバー制による財産課税に対する準備はいわば、車の両輪のようなものです。国が強い意志を持ってこれらを導入しようとしている以上、インフレと課税強化は不可避と考えるべきです」

不動産は悪くない。ただし、今すぐ…

インフレが不可避となると、当然、なんらかの対策が必要となりますよね。たとえば、どんな対策が考えられますか?

「まず、不動産ですね。インフレになれば不動産価値も上がりますから、強力な『インフレ対策』となるわけです。たとえば自宅購入を検討している人は、インフレ対策という面からもお勧めです。いわば『ディフェンスとしての自宅購入』です。ただし、物件は慎重に選ぶべきですし、金利上昇のリスクがあるので、借金の金利は絶対に固定でなくてはなりません」

現在の不動産価格は「バブルだ」という話もあります。

「確かに、都心のいわゆる『タワーマンション』はちょっとバブル気味ですね。ただ、普通のマンションは価格が上がりつつあるとはいえ、まだバブルというほどではないでしょう。私の予測ではズバリ、2018年末まで不動産価格は上がり続けます」

そう言い切れるのは、なぜでしょうか?

「いわゆる『不動産課税』の問題です。東京オリンピック開催が決まったのは2013年9月。当然、多くの人が不動産価格の上昇を見込んで不動産をその直後から買い始めたわけです。そして、それに対して不動産課税が軽減されるのが満5年経過後の1月1日以降、すなわち2019年1月1日以降なので、この時期以降は不動産を売る人が増えると考えられるからです」