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(榊原正幸(青山学院大学教授)/写真=THE 21 ONLINE)

ディフェンスとしての「自宅購入」は、今がラストチャンス!?

「お金持ち」になるにはどうしたらいいのか。そんなストレートなタイトルの本『お金持ちになるための本』を発刊したのは、青山学院大学教授で、会計学の知識をフルに活用して投資家としても活躍する榊原正幸氏。そんな榊原氏が主張するのが、「今後は、投資を考えない人はじり貧になっていく」ということ。それはなぜか。そして、これからの日本経済はどうなっていくのか。お話をうかがった。

政府は何が何でも「インフレ」を望んでいる

榊原さんは大学教授としての活動と並行して、「投資」の意義についてメディアで語ってこられましたよね。なぜ今、投資を考えるべきなのでしょうか?

「一言で言ってしまえば、日本という国が『コッテコテのインフレ政策』を取っているからです。大規模な金融緩和によって大量のマネーを市場にばらまいており、それをいつやめるかという『出口戦略』も見えてこない。先日も参議院議員の藤巻健史氏が国会で『出口戦略』について質問していましたが、明確な回答はありませんでしたよね。とにかくもう日本政府は『インフレ』にしたくてたまらないわけです」

通貨の価値が下がり、物価がどんどん上昇していく「インフレ」には、当然、弊害があります。なぜ政府はインフレを望むのでしょうか。

「莫大な国家の債務をチャラにしたいからにほかなりません。ご存じのとおり日本には莫大な債務があります。ただ、1,000兆円の借金も、インフレで物価が2倍になれば、実質的に500兆円になりますよね。

ここで私がもう一つ、注目すべきだと思っているのが『マイナンバー制』です。これは国民一人ひとりに番号を付けることで、業務を効率化するための施策と言われています。でも、実際には一人ひとりの財産をしっかりと把握して、将来的に主に富裕層への財産課税を行なうというのが第一義的な目的だと、私は見ています。現在のインフレ政策が失敗して、ハイパーインフレになってしまった場合の防波堤として財産課税も視野に入れているのです」