ノミニーカンパニー
ノミニーカンパニーはNZの法律であるCompanies Act 1993を根拠法として設定されます。
ノミニーカンパニーとは前述のベアトラストと類似した運用を行う法人です。ノミニーカンパニーは多くの法律事務所、証券会社が資産を保有する際に使用されています。個人名義で株式や債券を保有する代わりにノミニーカンパニーの名義を使用します。ノミニーは限定された受託者(A bare trustee)と同様にその運用を制限されているため、ノミニーカンパニーは投資家の資産を所持・保有する以外の能力を持ちません。税法については非居住者トラスト、ベアトラストと同様の取扱いとなります。ノミニーの保有する資産が誰に帰属するかについての登録は必要ありません。
リミテッドパートナーシップ
リミテッドパートナーシップはNZの法律であるLimited Partnerships Act 2008の適用を受けます。
リミテッドパートナーシップは、常に1人以上の無限責任パートナーと1人以上の有限責任パートナーで構成されます。これは別人である必要があります。無限責任パートナーはリミテッドパートナー湿布におけるエージェントとして実際の管理業務とマネージメントを行います。全てのリミテッドパートナーシップには合意書(A limited partnership agreement)が必要です。一般法人と同様に、リミテッドパートナーショップはRegistrar of Companiesの規定の様式に則って設立の手続き(登記)を行います。有限責任パートナーの詳細について公に公表されることはなく、有限責任パートナーの資本出資について開示が求められることもありません。リミテッドパートナーシップにおける利益はパートナーに帰属します。このためNZ国内で得られた所得がない場合、NZ国内での納税義務は発生しません。
NZLTC
ニュージーランド・ルックスルー・カンパニー(NZLTC)は、ニュージーランド設立の法人です。設立に先立ち法人登記を行います。これは経営者に有限責任を狂するための別の法人組織です。その資本は株式として分けられます。
NZLTCはニュージーランドにおける税金対策のための分かり易く透明性のある投資手法の一つであり米国LLCと同様の仕組みです。こちらも海外の経営者を惹きつける有効な投資手法となっています。リミテッドパートナーシップとは反対に、経営者(オーナー)はNZLTCの株主やダイレクター(役員)になることが出来ます。その他にNZLTCの特徴として以下が挙げられます。株式は同じクラス、同じ権利のものに限られます。その株主には人(人間・個人)、別のNZLTC、トラスト、NZFT(ニュージーランド・フォーリントラスト)がなることが出来ます。NZLTCはニュージーランド居住でなければならず、二重課税協定のためにNZ非居住とすることは出来ません。NZLTCのダイレクターは人(人間)でなければならず、法人はダイレクターになることが出来ません。
ニュージーランドLLP
ニュージーランドには相対的に新しいLLPレジームがあります。これは年々居住者・非居住者の間で人気が高まっているレジームです。非居住者にとってはFTと非常によく似たシステムです。非居住者であるリミテッドパートナー(有限責任パートナー)に、ニュージーランドを源泉としない所得が分配された場合、それらは所得税や源泉徴収税の対象外となります。ニュージーランド源泉の所得のみが課税対象です。
また、このレジームには強力なプライバシーを守るための条件が揃っています。リミテッドパートナーの登録は必須ですが、公式・非公式に関わらずこの登録情報へのアクセスはありません。LLPの特徴は、ジェネラルパートナー(無限責任パートナー)が実際にパートナーシップ内の資産を保有し、それらの資産をコントロールするのに対し、リミテッドパートナーはそのパートナーシップにおけるオペレーションに関して限定された権限を持ちます。もちろん受動的なインカム投資の場合、これは問題にならないでしょう。
今回はNZにおける投資手法について、主にトラストの基礎についてお話させていただきました。 ニュージーランドでの投資や運用に関するより詳細な情報について、 http://www.bancorp.co.nz/ または admin@bancorp.co.nz までお問い合わせください。
BY MW:ニュージーランドにある投資銀行のプライベートバンキング部門勤務