“債券王”とあだ名されている米資産運用会社ジャナス・キャピタル・グループの著名投資家、ビル・グロス氏は2日、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを今実施すれば、タイミングや利率という点でも、自らの首を絞めかねない危険性をはらんでいるという考えを同社レポートで発表した。

「遅過ぎると言うのは、 2015年の まだチャンスのあったうちに導入しておくべきだったからだ。低過ぎると言うのは、私の考えでは、新しい政策金利は、実質2%前後まで引き上げない限り意味がない。しかし今更それを実行したところで、マーケットを震えあがらせるだけだし、自発的に経済を破綻させるようなものだ」

2006年以来となる利上げについては、中国経済の動向や国際的影響を視野に入れた上での、賢明な判断だとFRBは主張するが、これについてもグロス氏は警告を発している。
「FRBが利上げする事自体は間違いではない。しかし9月に行われるFOMCでは、余程発言に注意しないといけない。一度実施してしまえば、後戻りはできない。最低半年はその影響が続くだろう」

それでは、現FRB議長・ジャネット・イエレン氏が10年ぶりの「利上げゲーム」を開始後、来るべき世界恐慌に投資家達はどのように立ち向かうべきか?という点が、投資家達にとっては最も気になるところだ。

債権王からのアドバイスは「現金或いは即換金可能な資産を手元に置いておくべきだ。投資で一儲けというわけにはいかないが、少なくとも泡と消える危険は回避できる」と、意外にも保守的。しかし、儲けを得ない代わりに大損もしないと保証されているのだから、決して悪いアイデアではないだろう。(ZUU online 編集部)

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