英公共放送局BBCが、自局BBCワールドサービスの規模拡大に向けた提案書の内容が明らかになった。BBCが7日、同社サイトにて公開した。今回の提案には、北アフリカ・中東・ロシア向けのアラビア語放送BBCアラビックの他、北朝鮮への短波ラジオによるニュース放送、ロシアへの衛星放送またはYouTubeやRutubeの強化など、より広範囲な情報をより広範囲な地域に伝達する為の計画が含まれている。

今回の提案書提出にあたり、BBCが最も懸念しているのは提案書の通過である。しかし英『フィナンシャル・タイムズ』紙は「仮に提案書が通過したとしても、定期的にシグナルがブロックされる北朝鮮での放送は困難を極めるだろう。また、ピョンヤンへの外交面での影響も心配だ。」と、別の角度から懸念を表明している。

英紙『ガーディアン』によるとCCTV(中国)やRT(ロシア)などのライバル放送局が気にならないのか?という問いに対して、BBC内部者はこう返答している。「これは英国が世界のどの位置に立っているのか?という問題だ。BBCの将来がどうのこうのというレベルの問題ではなく、国家的優先課題として考えなくてはいけない。他の放送局はどんどん国際化して行き、自国の伝統や価値観を共有しようとしない。しかし我々BBCは、独自の視線から捕らえた正確かつ公平な報道を通して、国際的なデモクラシーを維持する為ならば、どんな努力もいとわない。ワールドサービスは全世界で放送されるべきだ」

かつてBBCは英外務省から出資を受けていたが、2010年に交わした政府との条約に基づき、昨年からは2億4500万ポンドもの年間コストを自局で負担している。BBCは再度政府に援助の要請する予定だが、今後は民間のコマーシャルを流すなどして、自局に利益を誘導する予定だ。

元外務大臣ウィリアム・ハーグ氏の「BBCワールドサービスは、最も重要なソフトパワーのソースであり、全世界を共有させてくれる無類なき力を持っている」という発言通り、BBCワールドサービスは32ヶ国語放送を実施するなど、自国では尊敬に値するメディアとしての知名度が高い。(ZUU online 編集部)

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