ロールス・ロイス
(写真=HPより)

中国経済の混乱や贈収賄摘発事件などの影響で、昨年上半期は2504台だった販売数が、今年上半期は1852台にまで落ち込んだロールス・ロイス。打開策として、同社が「わが社の歴代の車の中で、最もセクシーな車」と自信をもっていう新車種「ドーン」を発売する。同社はこのコンバーチブルの新型を9月15日から始まるフランクフルトモーターショーに出展するという。


「裕福で堅苦しい」から「若くて社交的」へ

ロールス・ロイスがターゲットを若い女性に移し、既存イメージを払拭することで、市場での巻き返しを狙っているのは一目瞭然だ。

英テレグラフ紙のインタビューに応じたロールス・ロイス・モーター・カーズのトルステン・ミュラー・エトヴェシュCEOは、新型ダウンについてこう語った。

「かつて大人気だったコンバーチブルを復活させた狙いは、若くて社交的な女性に乗って欲しいからです。若い女性が髪を風になびかせて、颯爽とドライブしているイメージですね。新しいドーンは、わが社の新境地を切り開いてくれる車になりますよ」

またディレクター・デザイナーのジルス・テイラー氏も社運をかけた新型の発売に、「裕福で堅苦しいドライバー向けというイメージで、これまでロールス・ロイスを敬遠していた若い客層にも、ドーンは受け入れられると思いますね」と大きな期待を隠さない。

両者のコメントだけでは、「ロールスが長年培ってきた伝統を捨て、売り上げを伸ばす為だけに、価格や品質を低下させるのではないか?」という懸念も生じる。

しかしそこは世界最高車を110年以上も作り続けてきた老舗自動車メーカー。その名とプライドにかけ、何としてでも品質を死守する構えだ。


セクシーなだけでなくパワフルな「ドーン」、価格は38万ドル

若い女性向けの車とあなどるなかれ。ロールスロイスの中でも最もパワフルなエンジンを搭載したトップセラー「レイス」が原型と聞けば、若い女性以外の客層でも、思わず興味を抱いてしまうだろう。新型ダウンはセクシーなだけではなく、実は“最もパワフルな”車でもあるのだ。

新型「ドーン」の発売価格は38万ドル(約4600万円)。カスタマイズの追加料金を計算に入れると、セールスの伸び悩みを打破するには十分な利益を生める価格だ。

発売前にも関わらず既に注文が入っている期待の新型「ドーン」。昨年打ち立てた過去最高の販売台数4063台を、一新されたスタイルで打ち破ることができるのだろうか。(ZUU online 編集部)

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