ソニー銀行セミナー
(写真=ZUU online編集部)

低金利が続き都心部での住宅の購入意欲が依然高いなか、不動産と投資の専門家によるセミナー「プロフェッショナルに訊く、住宅と資産設計の最新事情」が9日夜、都内で開かれた。主催はソニー銀行。当日は台風の影響でかなりの悪天候だったが、それでも約50人が参加、講師2人の話に熱心に耳を傾けていた。


「設備やインテリアなど変えられるモノに惚れるな」

1部で講演したのはHOME'S総研の島原万丈所長。演題は「プロしか知らない、本当の住まい選び〜住宅市場最前線からの提言〜」だった。

島原氏は、流通している住宅のほとんどが新築なのは先進国では日本だけであること(2008年のデータで新築100万戸に対して中古は17万戸)、全国に空き家が820万戸(13.5%)もありながら景気対策で新築の普及促進していることなど、“日本の非常識”を指摘。そのうえで、中古住宅を購入してリフォームすることのメリットを紹介。「中古だから」という理由で選択肢から外す必要はないとした。

その一方で新築を買うことのメリットとして、瑕疵担保責任や税制優遇を挙げ、「中古でも新築でも、売れる(キャピタルゲイン)、もしくは貸せる(インカムゲイン)物件、『資産価値』のある物件を見つけること」と主張。住宅の選び方として、「構造躯体や立地、窓から見える風景など“変えられないモノ”にお金をかけること。間取りや設備、インテリアは後でいくらでも変えられる」と呼びかけた。


「借金は悪」ではなくインフレヘッジ

2部では、元マネックス・ユニバーシティ社長で、資産デザイン研究所の内藤忍社長が「住宅ローンと両立する、資産運用の具体的な方法」と題して話した。

日本の個人投資家の問題として、「教育、金融資産、住居、仕事のすべてを日本に依存する“日本リスク”を取り過ぎていること」と指摘。「日本では円建ての資産ばかり持っている人が多すぎる。これから絶対に円高になると思うならともかく、円高になるか円安になるか分からないなら、ポートフォリオは円建てと外貨建てが半々というところから考えるべき。そこから円安のほうが可能性が高いと思うなら外貨資産の割合を多くすればいい」と話した。

また最近、自身がフルローンで駅近の物件を購入したことなども紹介、「借金は悪いものだと思いすぎ。超低金利の中、お金を借りることは悪ではなく、インフレヘッジでもある。お金を借りて物件を買って運用すれば、支払う金利以上の利回りを出すことはできる。そのためには都心で駅チカの、貸しやすい物件を選んだほうがいい」などと訴えた。(ZUU online 編集部)

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